ランド円レポート月曜版(2019年8月19日)

安値が6.80レベル、高値が7.09レベルと年初来安値は更新したものの、比較的狭いレンジの中で思ったよりも底堅い一週間となりました。

ランド円レポート月曜版(2019年8月19日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、数年来の安値を更新する「6.40レベルをサポートに、大台7.00レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.80レベル、高値が7.09レベルと年初来安値は更新したものの、比較的狭いレンジの中で思ったよりも底堅い一週間となりました。

先週のランドは、米国が先に発表した対中制裁関税第4弾の一部を12月に延期と発表したことが、中国が最大の貿易国である南アフリカにとって、中国要因による更なる景気悪化は先延ばしになったことが週前半は好感されたと言えます。また、週後半の株式市場は下げたものの、為替市場ではリスクオフの円買いがそこまで進まなかったことから、ランド円に対する下げ圧力がそれほど強くなかったと言えます。

ただ、そうした中でも南アフリカが抱える電力会社エスコム問題に端を発する財政問題や景気悪化懸念等、格付け引き下げ懸念を拭い去ることは出来ません。本邦個人投資家は相変わらず高水準のランド買いポジションを持っています。また南アフリカの格付けに対する不安があるので当然とも言えますが、発行体が格付けの高い国際金融機関ではあるものの通貨が南アランド建てといった債券はネット証券会社を中心によく売れている様子で、現在もいくつかの南アランド建て債券が販売中です。


こうした債券の場合は、南アの格付けが仮に引き下げられても債券自体への影響はほぼありませんが、通貨としてのランドの価値にはストレートに影響を受けますので、少なくとも日本の投資家は一定水準でランド資産をいまだ買っていると考えてよいでしょう。
一方で、グローバルに見た場合には同国国債からの資金流出が続いていると言われ、先週はアルゼンチンのデフォルト懸念からアルゼンチン国債が暴落するなど、新興国の国債に対する見方は着実に厳しさを増していると言えるでしょう。

為替市場でもランド売りは続いていますが、2週前の7円の大台割れ以降は下げのペースが鈍っています。多少の達成感もあるのだと思いますが、先週のコメントにも書いた通りで、大きなターゲットは7円ではなく2016年安値の6,42です。どうもここまで一気に行くにはまだ距離があったようですが、依然として同水準を視野に入れる流れに変化はありません。さらに、もしムーディーズが南アの格付け引き下げにでも動こうものなら、南アからの資金流出は止まらず、6.42を下抜け未知の安値圏へと入り込んでいくことになります。

常にランドは下値不安がつきまとうということも認識するためにも、今週は月足で過去12年の動きを示しておきます。

ランド円レポート月曜版

月足ランド円

先週の週足に引いたラインをピンクの太線で示しましたが、こうした長期で見るとごく短いレジスタンスにしか見えませんし、どの高値からでもレジスタンスは引けますが、チャート内の長期のレジスタンスラインは2006年高値の19.66から引いたラインです。新興国通貨の場合10年単位で見ると恐ろしく減価していることがわかりますが、20年前の1998年には27.35をつけ、そこから着実に下がり続けているに等しい状況となっています。

いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。

ランド円レポート月曜版 2枚目の画像

上段チャートの下限にピンクのラインが見えていますが、同水準が6.42です。ここ数週間の値幅を考えると今週そこまで行くとも思えず、ピンクの平行線で示した下降チャンネルに沿った下げを継続していると見ることが妥当なようです。今週も年初来更新は視野に入れつつも6.60レベルをサポートに、7.10レベルをレジスタンスとする週を見ておくことにします。

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