米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は5月24日以前までとなっています。
(全般的は経済活動)
経済活動は4月〜5月中旬の間、ゆっくりとしたペースで拡大した。僅かながら前回より改善した。ほとんどの地区で成長が報告され、2〜3地区では経済活動に緩やかな上昇をみた。製造業の報告は全般的にポジティブだが、幾つかの地区では活動減速の兆候があり、先行きの不確実性が見られた。居住建設や不動産は全般的に伸びたが、両部門とも各地区を通してのセンチメントには違いが見られた。消費支出の報告は一般的にポジティブだが、沈静化している。観光業はより強くなった。とりわけ東南方面が強い。自動車販売は減速した。ローン需要は混在気味だが、伸びは見られる。農業は全般的に弱いが、2〜3の地区では改善した。先行き見通しは堅調で底固いが緩やかである。
(雇用と賃金)
雇用は引き続き国内中で拡大している。ほとんどの地区で、前回報告よりは緩やか、乃至堅調に拡大している。堅調な求人需要は小売、サービス、技術者、製造業、建設部門の雇用である。しかしながら、タイトな労働市場に雇用が縛られている。地区によって、高・低の熟練技術者の不足を指摘している。雇用の競争により賃金上げの状況が報告されている。これにより、幾つかの地区で、既存の労働者へも幅広い範囲で賃金上げに波及している。しかしながら、全般的に賃金上げ圧力はまだ相対的に弱い。多くの地区では賃金上げが緩やかであると報告している。
(物価)
物価は、前回の報告以降、全般的に緩やかなペースで上昇している。幾つかの地区では、最終販売価格よりも早く、生産や卸しの段階で物価が上がっている。ただ、この上昇は緩やかな上げに留まっている。幾つかの地区では、輸送関連費用がより高くなったと報告。製造業からの報告では内容が混在している。鉄鋼や関連製品価格が弱まった一方で、原材料価格の上昇を指摘している地区もある。木材含めた建設関連価格は緩んだ。小売は全般的に横這いから小幅上昇。農産品の価格が上昇したにも関わらず、価格自体は依然として歴史的に低い。
(以下、地区毎の詳細は略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
内容的には前回4月初の時点よりはまだ経済が拡大していることを示した内容になっています。一部地区で先行きの不確実性を指摘していますが、まだ悪化を具体的に示唆する内容は見当たりません。但し、フィラデルフィア連銀総裁は、対中関税問題により、国内の製造業への影響や企業投資の先行きについて懸念を指摘しています。
この内容を受けて、エコノミストはまだメキシコ問題が勃発していない時期なので、この分を勘案すると先行きは不透明と指摘しています。
昨日のドル円相場は、ベージュブック発表前後は動きませんでした。内容的には米経済堅調であるとして、ドル円は15銭程度ドル高方向に行った程度です。
ドル円相場は短期的に107円60銭〜109円60銭のドル安トレンドラインを形成していますが、レンジ内の107円80銭〜108円50銭で上下が抑え込まれています。上限を抜けても108円80銭〜90銭、109円20銭の順に抵抗線が控えており、下値は107円80銭を切ればトレンドライン下限107円50銭〜60銭サポートになります。
明日の雇用統計を控えてまだこれまでのドル安円高だった動きから調整時間内にいるようです。
(2019年6月6日10:00、1ドル=108円36銭、1ユーロ=1.1229ドル)
(以上)
オーダー/ポジション状況
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