過去8年間の豪州株式・NZ株式及び為替の動き34
(1)豪州株価指数とNZ株価指数推移
前回(3月中旬)以降、豪ドル対NZドルは豪ドル高方向に動きました。
いつもの様に、まず資金移動の観点から両国の株価指数を比べると、NZ株は大きく上昇し、株価指数であるNZX50は指数を10,000台に乗せてきました。上のチャートを見ても、2015年から始まったNZ株の一段高である@とBの平行線に沿って、しかも上限まで買われています。
昨年10月終値対5月27日終値比で+16%の上昇になっています。同時期の日経株価は▼3.4%、NYダウは+1.9%ですから少しバブルの感じがしないでもありません。因みに豪州株指数は+10.7%です。加えて、NZ中銀は5月に利下げを実施しましたが、景気鈍化懸念⇒企業業績鈍化よりも、金融緩和による将来の業績拡大期待で株を買っているようです。
一方、豪州株も上昇トレンドを維持しているものの上げ方は緩やかであり、CとDの上昇ラインの角度がNZ株と比較して低く、5月になってやっと高値を更新してきました。
昨年10月の株安時、一時的に豪州株>NZ株になりましたが、ほぼ一貫してNZ株>豪州株が継続しており、依然として投資資金はNZ株の方に多く流れている様です。
(2)為替と相対株価指数比
この2国間の相対株価と為替を比較したチャートとなります。
オレンジ色のラインは2国間株価指数比(「豪州株÷NZ株」で表したもので、上方向が豪州株高、下方向がNZ株高)となっています。
2011年から一貫してNZ株>豪州株が継続し、緑色の抵抗線に沿って、相対株価で豪州株安になっています。青のラインは豪ドル対NZドルの推移ですが、緩やかな豪ドル高トレンドの下限で推移しています。このレンジ間にある黒の抵抗線が目先の豪ドル高を抑え込んでいます。
また前回3月中旬時に為替の赤い線を割り込んでいましたが(上図○印の時点)、終値では引き戻されておりサポートを守り、5月のNZドル中銀利下げ時にも豪ドルが対NZドルで買われています。
現在、両国の政策金利は同じになりましたので、金利差が無くなっています。市場は、次回利下げが豪州との見方ですので、利下げを実施した場合は再度NZドル>豪ドルになると思われますが、もし今後2〜3ヶ月で利下げが実施されない場合は、両国の経済規模を考えると豪ドル優位になる可能性が高いと思われます。
さて、その豪ドル/NZドルの相場は、前回(3月時点)のレポートで、
「…また、年初の荒れた相場時に、豪ドルNZドルの底値が1.02NZドルでしたので、ほぼ2016年9月と顔合わせしています。現在はその長い下ヒゲを辿っていることになります。(注:3月13日時点のスポットは1豪ドル=1.0315NZドルでした)もしこの間に相対株価の流れで緑の抵抗線を上抜けることにでもなれば、為替は底打ちの可能性がでてきます。従いまして、ここからはNZドルを買っても、細めに対応した方が良さそうです。上値抵抗線は1.0480〜1.05NZドルにあるので、ここを上抜いて終わると今回の下げが一段落になります。この手前の1.0360〜70、1.0420〜30、1.0470NZドルに抵抗線あります。」
としましたが、豪ドル対NZドルは3月末に1.0276NZドルまで下落後は豪ドル買いとなり、4月中旬に1.0730NZドルまで買われ、その後は1.0550NZドルまで調整しましたが、NZ利下げ時に再度1.0730NZドルのダブルトップを付けて、今日現在では1.0570〜75NZドルで推移しています。
大きな流れは1.0220〜1.1190NZドルレンジで3角保合いの収斂を続けていますが、1.02NZドル付近では相当下値を固めており、下値は固くなっています。一方で上値は1.0730のダブルトップが効いているので、当面は1.0420〜1.0730NZレンジで推移すると思われます。
下値は1.0520、1.0470、1.0420NZドルにサポートあります。上値は1.0610、1.0670、1.0730NZドルに抵抗線があり、最後を越えるとかなり豪ドルが強くなりそうです。
まだ株式資金の流れがNZ株>豪州株ですので、中々上限を越えて行けるだけの動きにはなり難いと思われます。もし豪州中銀が利下げを実施し、豪ドル売りがでたら買い場探しになる可能性があります。
(5月28日15:00現在、1豪ドル=1.0569NZドル)(前回は3月13日掲載)
オーダー/ポジション状況
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