<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、ドルが小高い。値幅そのものは決して大きくなかったが、一時111円半ばを示現し、直近の戻り高値を更新している。
ドル/円は111.30-35円で寄り付いたものの、当初はドルが弱含み。日中安値である111.20円レベルまで小緩む局面も観測されていた。
しかしドルは底堅く、安値を記録後は流れが一転。前日越えられなかった111円半ばの壁を超え、夕方には111.55円レベルまで値を上げている。16時時点では、日中のドル最高値圏である111.50-55円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、前日に突然急騰するなど大荒れとなった仮想通貨ビットコインは本日も荒っぽい値動き。一時は続伸し、東京昼ごろには5000ドルを超えたものの、そののち利益確定売りなどに押され、4800ドル半ばまで大きく値を崩す展開だった。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中通商協議」について。
前者は、メイ英首相が「EUに離脱期限の再延長要請する考え」を改めて示す状況下、アイルランド首相は「英国が離脱提案示す時間はまだある」、北アイルランドDUP「英首相の新ブレグジット戦略に懸念表明」−−といった報道や発言が観測されている。
対して後者は、トランプ大統領「中国との貿易協議は非常に順調」、米NEC委員長「米中通商協議、今週さらに前進へ」などとポジティブな見通しが幾つか聞かれるなか、英紙FTが「米中当局者、貿易合意に向けた問題の大半を解消」と報じ、これが111円半ば突破に向けたドル買いの材料となっていた。マーケット・センチメントが一気に楽観論に傾斜した感もある。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のNY時間などに、移動平均の200日線が位置する111円半ばを超えられなかった際には、正直嫌な予感もしていたのだが、前述したように本日東京時間には同レベルを一時上回る局面も観測されている。まだ111円半ば以上で定着はできていないものの、テクニカルにもドル続伸を期待する向きは少なくないようだ。次の目標である112円台乗せ、112.13円の年初来高値も薄っすらとだが視界内に。
材料的に見た場合、先週に続き実施される「米中閣僚級通商交渉」に注目。予定では劉中国副首相らが訪米し、本3日からワシントンで実施される見込みだ。先で取り上げたような英紙FT報道もあり、マーケットでは期待感が先行している感を否めない。よもやの結末はないと信じたいが、あまり過度の楽観論に傾くことは要注意だろう。また、「噂でドルは事前に買われている」だけに、協議が妥結しても「事実売り」に押される可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、昨日なども強い抵抗として寄与していた移動平均の200日線(111円半ば)に絡む動き。しっかりと越えたわけではないが、本稿執筆時ではわずかながら上回っての推移となっている。
なお、フィボナッチの観点では、昨日もレポートしたように次の上値メドは年初来高値を起点とした下げ幅の76.4%戻しにあたる111.55円レベル。それを超えると全戻し、112.13円がターゲットとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、3月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。とくに前者は、週末に発表される米雇用統計との相関性の高さを指摘されるものだけに、その内容には要注意。ちなみに、予想値はプラス17.5万人ほどで、前月のプラス18.3万人と同程度の数字が見込まれている。
そのほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁やバーキン・リッチモンド連銀総裁などによるパネル討論や、何度も指摘している「米中閣僚級通商交渉」に要注意。また、米国以外では引き続き「英国情勢」が懸念されている感を否めない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.10-112.00円。ドル高・円安方向は、東京高値でありフィボナッチで見た次の上値メドにあたる111.55円レベルが最初の抵抗。超えた場合には112円台回復、112.13円の年初来高値もターゲットに。
対するドル安・円高方向は、わずかながら上回って推移している200日線をめぐる攻防に注視。ザラ場ベースだけでなく、NYクローズで上回れるかどうかも注視されている。割り込んだ場合には、移動平均の25日線なども位置する111.20円前後がサポートとなりそうだ。
オーダー/ポジション状況
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