欧州中央銀行(ECB)政策金利結果(19/3/8)

相場はドラギECB総裁のユーロ圏の先行き経済鈍化発言にユーロが大幅に売られました

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欧州中央銀行(ECB)政策金利結果(19/3/8)

欧州中央銀行(ECB)政策金利結果

(2019年3月7日木曜日:東京時間21時45分公表済)
欧州中央銀行政策金利に関する決定事項は
  
主要金利は0.0%→0.0%で据え置き
中銀への預金金利 ▼0.4%、  限界貸付金利 0.25% も据え置き
保有資産の満期償還金の再投資は今後も長期間に亘り継続

と、従前の予想通りの結果となりました。但し、現行の金融政策を夏まで維持との前回文言を年内一杯まで延長しました。また、新たに金融機関への長期資金供給策(TLTRO−V)を9月より2年間満期で行うことを公表しました。

相場はドラギECB総裁のユーロ圏の先行き経済鈍化発言にユーロが大幅に売られました。
以下は記者会見の要旨です。

(ドラギ総裁記者会見要旨)
以下はドラギ総裁の記者会見の内容に関して、経済成長見通し中心に抜粋しました。箇条書きにしています。
・主要なECB金利は据え置きを決定した。現行水準を少なくとも2019年末までは継続すると見ている。これによりインフレ低下を防ぎ、中期目標の2%に近付くとみている。
・満期の債券は資産購入プログラムに準じて全額再投資する。期間はECB主要金利を引きあげる時点まで行う。
・金融機関への長期資金供給策(TLTRO−V)を2019年9月より開始し、2021年3月まで行う。これにより銀行貸し出しは好ましい状態になると見ている。
・最近の経済指標は弱く、地政学要因に根ざした不確実性が高まっている。保護主義や新興国市場での脆弱性が高まり、経済に影響を与えている。
・更に、弱い経済指標がインフレへの調整を引き下げている。同時に、金融緩和が労働市場のダイナミックさを下支え、ユーロ圏でも賃金は上昇している。
・ユーロ圏のGDPは四半期比0.2%上昇した。2018年に4Qは前期比0.1%の伸びに留まった。入ってくるデータは弱い。とりわけ製造業が弱く、外需も低下している。

・ECBスタッフにより経済見通しは、2019年GDPが1.1%、2020年が1.6%、2021年が1.5%と予想している。2018年時点の予想と比較すると、2019年と2020年の成長を下方修正した。
・ユーロ圏を取り巻くリスクは依然として下方に行くものが多い。これは地政学上の不確実性、保護主義や新興国での脆弱性である。
・ユーロスタットの調査では、年率のインフレは2月時点で1.5%となり、1月の1.4%よりは上がった。
・非金融部門への年率貸付は、2018年12月の3.9%から2019年1月に3.3%に下がった。

(質疑応答は略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

欧州中央銀行(ECB)政策金利結果

ユーロ圏インフレ(上)と経済見通し(下)の修正:水色が2018年12月、紺が今回)
出所:ECB HPから

エコノミストは、内容的には前回1月時の会合と大差はありませんが、ダウンサイドへのリスクが高くなった、Brexitと新興国の成長に不確実性が高まった、ドイツの自動車販売が低迷続くなどを挙げており、内外共に先々の下方修正リスクが高いことを発言したことでユーロ売りに繋がったとしています。

ユーロドルの相場は昨年11月12日底値の1.1216を下回り、1.12割れたことで新たなユーロ安相場の開始を見ている向きが多くなっています。但し、昨日の底値が1.1177ですので、まだ大きな意味でダブルボトムの見方もできます。
目先の売られ過ぎを勘案すると、今日の1.12以下でユーロ売りは回転ディールに努め、週足で完全に1.1170を切って終わったことを確認してから動いた方がリスク少なくなりそうです。あるいは今日の米国雇用統計が決定打になる可能性もありますので、少なくとも指標を待って動いた方が良いかと思われます。

現在は1.1090〜1.1490レンジのユーロ安トレンドを形成しており、下限は1.1160〜70、1.1110、1.1080〜90ドルにサポートあります。ユーロ底割れ阻止には、今日1.1220越えて終わることが最低でも必要で、抵抗線としては1.1260、1.1290ドルにあります。
(3月8日14:00、1ユーロ=1.1196ドル)

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