オーストラリア中銀政策決定会合要旨(19/2/5)

オーストラリア中央便豪の政策金利は市場の予想通り、現行の据え置きで決定しました。

オーストラリア中銀政策決定会合要旨(19/2/5)

オーストラリア中銀・金融政策決定会合要旨(キャッシュ・レート・ターゲット)

(2019年2月5日開催分)

豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)

豪ドル対米ドルは、発表前に0.7212米ドル付近で推移していましたが、発表後は0.7260〜65米ドルまで上昇しています。世界経済減速懸念や米国利上げ先送り観測がある中で、豪州中銀の金融政策要旨は昨年と変わらず、しかもコアインフレは目標値に向かうとの見通しに、豪米金融格差縮小思惑の豪ドル買いになった模様です。現在のスポット付近にある0.7250〜60米ドルの抵抗線を再度抜け始めているので、1月末高値の0.73米ドル方向の流れになっています。この高値は今回2回目なので止められる可能性が高いですが、越えれば0.7360米ドル付近が次の上値目途になります。一方で下値は0.7200〜10米ドルにサポートがあります。
以下は本日の中銀金融政策要旨です。

(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。

2018年の世界経済は、年後半には減速したが、トレンド以上に拡大した。ほとんどの先進国の失業率は低下している。世界経済の成長見通しは依然として理にかなった伸びを示しているが、下方リスクは増加した。貿易の緊張が世界貿易や先行きの企業投資決定に影響した。中国経済の成長は引き続き緩やかとなり、当局は金融部門のリスクに注意を払いながらも緩和政策をしている。世界的にみて、通常のインフレは原油価格下落で低くなったが、コアインフレは幾つかの国で上昇した。

先進国の金融状態は2018年末には引き締められた。しかし依然として緩和基調である。株価は下がり、クレジットスプレッドは拡大した。しかし最近の動きは一部で反転。市場参加者はもはや米国の一層の引き締めはないと予想している。国債のイールドは、豪州を含めて、ほとんどの国で下がった。豪州ドルは最近狭いレンジで推移した。交易条件は過去2年間では上昇したが、先行き減速が見込まれている。

豪州経済の最もあり得るシナリオは今年約3%成長となることである。そして、2020年には資源輸出の伸び鈍化で少し下がる見込みとなっている。成長見通しは企業投資の増加や高水準の公共インフラ支出の拡大に支えられている。世界的に照らし合わせると、幾つかの下方修正リスクが増加した。9月末期のGDPは予想より弱かった。この主因は家計消費と収入の伸びが緩やかであったためである。消費に関するデータや最近の四半期毎の改訂の変動が大きくなっている。家計収入の伸びは最近低くなった。しかし、今後は持ち直し消費支出を支えるとみている。国内の主要リスクはやはり家計支出の見通しであり、幾つかの都市で下落している住宅価格の影響である。

シドニーやメルボルンの住宅市場は、先に価格上昇した後に調整期間を有している。この2つの市場の先行き状況は一層弱くなり、インフレを低くする。(住宅)借入者に対する信用状況はきつくなっている。同時に、住宅投資家による借入需要も明らかに低下し、住宅市場へのダイナミックさが変化した。既存の借入者に対する信用率の伸び(借り換えなど)は年率5.5%と緩んできた。住宅金利は依然低く、信用力高い借入者に対しては強い競争力を有している。
労働市場は依然として強い。失業率は5%になった。今後2〜3年先を見ると、4.75%まで失業率が下がると予想している。求人率は高く、幾つかの部門では専門技術職が不足している。強い雇用市場は賃金上げをもたらしてくれる。これは経済拡大には歓迎である。労働市場の改善は暫くすると賃金の伸びを押し上げてくれると見ている。それでもまだ緩やかな伸びに留まると思う。

インフレは低く、安定している。2018年通して、CPIインフレは1.8%、コアインフレ
(文中ではunderlying terms inflationを使っています)は1.75%だった。コアインフレは今後2〜3年で上昇していくと予想している。おそらく、以前予想していたよりも少し長く時間がかかり、緩やかになると思うが。コアインフレの最もあり得るシナリオでは、2020年に2%〜2.25%になると予想している。通常のインフレは目先下がると予想している。これは原油価格下落の影響である。

低水準の金利は豪州経済を下支え続けている。更なる失業率の低下や、緩やかになると思うが、インフレは中銀目標へ向かうと見ている。現状利用できる情報を見る限り、委員会はこの会合で金融政策のスタンスを変更なしとし、一貫した持続的な経済成長やインフレの中銀目標値入り達成に寄与できる。

(要旨以上)

(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
(2月5日14時14分、1豪ドル=0.7261米ドル)

尚、次回金融政策会合は2019年3月5日(火曜日)に予定されています。

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