<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は、112円後半を中心とした一進一退。前日のNYが休場となったうえ、本日は東京が休場、新規材料も乏しく終日を通して凪商状だった。
ドル/円相場は、112.90-95円で寄り付いたものの、動意が乏しい。結局、終日を通した値幅は20ポイントにもとどかないような横這い状態となっている。16時時点では、112.85円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
また、為替市場はドル/円以外でも総じて動きの鈍い展開。ユーロやポンド絡みの通貨ペアもレンジ取引に終始している。しかし、そうしたなか仮想通貨はやや荒っぽい。早朝には4500ドル台で推移していたビットコインは、一時4200ドル前半まで300ドル近く値を下げる局面も観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」と「英国情勢」について。
前者は、中国商務省報道官から「米国による対中貿易問批判は根拠がない」との発言が聞かれた反面、トランプ米大統領は「通商問題で中国が望むなら『ディール(=取引)』することは可能」といったコメントを発していたようだ。そうしたなか、世界貿易機関(WTO)が貿易投資報告書を発表、「輸入制限の影響は4800億ドル」といった見方を示していた。
対して後者は、昨日の欧米時間に「英とEUが『政治宣言』で原則合意」と報じられ好感されたものの、そののち英野党党首からは「メイ首相のEU離脱合意案は最悪」、スペイン首相による「修正なければ英離脱合意案に反対へ」−−などといったネガティブな発言が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
多少長い目で見た場合はともかく、短期的には方向性を喪失している感を否めない。実際、今週ここまでのレンジは112.30-113.20円といったところで、1円にも満たない状況だ。本日はロンドンなど欧州市場がオープン、NYも為替市場が一応オープンするものの、飛び石連休に挟まれていることで、どれだけ参加者が戻ってくるのかは未知数との指摘も少なくない。112円台を中心とした一進一退が目先は続く可能性もある。
材料面で見た場合、月末にG20会合に合わせた米中首脳会談を控えるなか、貿易問題への警戒感が再び高まりつつあるようだ。本日だけでなく、今週末を含め実際の会合まで関連する要人の発言や各種報道には注意を払いたい。また、それらとは別に英国やイタリアを中心とした欧州情勢にも一応要注意。先では英国情勢を取り上げたが、イタリアも同国副首相が国営テレビで「EUの予算修正圧力に屈しない」と発言するなど、まだまだ紆余曲折がありそうで、予断は許さない。
テクニカルに見た場合、大きな流れはドル安方向にバイアスがかかりそうだが、目先は1円弱のレンジを形成しており、方向性がうかがえない。カレンダー的な要因を加味すれば、このあとも基本的には揉み合いが予想されるが、逆に流動性が低いが故の荒っぽい価格変動にも一応注意しておきたい。
ちなみに、今週ここまでのレンジである112.30-113.20円を上放れた場合は、前回高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる113円半ばや114円などがターゲットに。対してボックス圏を下放れるようだと、一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する112.15-20円、112円などが意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、11月の製造業PMIや同総合PMIといった米経済指標が発表されるほか、欧州ではデギンドスECB副総裁の講演が実施される見込みとなっている。それらは一応要注意。
また、新規の材料ではないが、継続案件となる英国やイタリアなどを中心とした欧州情勢も、動静如何でまだまだ波乱余地を秘めている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.30-113.20円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値である113.22円が最初の抵抗。近いレベルには一目均衡表の転換線も位置している。抜ければ、フィボナッチの観点から113円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の75日線なども位置する今週安値の112.30円レベルをめぐる攻防にまず注視。割り込むようだと、一目の雲の下限が位置する112.15-20円が意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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