オーストラリアの2017年第4四半期GDP (出所:オーストラリア統計局)
本日(7日)発表された2017年第4四半期GDPは予想を若干下回る結果となりましたが、3Qが前期比・前年比ベースで0.1%上方修正されているので、実質は予想通りになっています。
前期比伸び率…+0.4%(予想+0.5%) 3Qは当初の+0.6%→+0.7%に修正
前年比伸び率…+2.4%(予想+2.5%) 3Qは当初の+2.8%→+2.9%に修正
豪州統計局の発表内容を見ますと、(括弧内は3Q)
前期比 前年比
最終需要 +1.1%(+0.2%) +3.3%(+2.3%)
固定資本形成 ▼1.2%(+1.8%) +2.5%(+6.0%)
貿易 +0.1%(▼0.4%) ▼1.0%(+9.7%)
実質可処分所得 +0.0%(+0.8%) +1.5%(+4.5%)
第4四半期GDPは、強い最終需要で消費が強かったことを確認していますが、企業投資マイナス、可処分所得が再び低下しており、賃金の伸びが弱いことを示唆しています。但し、総賃金が上がっているので消費が堅調になっています。
(1)四半期の伸び(緑の棒線)と前年比伸び(黒の折れ線) (出所:豪州統計局)
(2)雇用者の報酬(COMPENSATION OF EMPLOYEES):(出所:豪州統計局) (2017年第4四半期まで)
GDPと同時に発表された雇用者の報酬が4四半期連続(上図緑の棒線)で1%を越えており、年間通しても右肩上がりのトレンドライン(黒のライン)を形成しています。人口増と雇用拡大で伸びていますが、まだ2009年〜2011年頃の水準には遠い状態にいます。
豪ドル/米ドルの相場はGDP発表前に1豪ドル=0.7780米ドル付近で推移していましたが、発表直後に0.7790米ドル絡みまでの上昇で、僅か10ピップス程度。その後の米NEC委員長辞任で0.78米ドル越えとなった程度の動きに留まっています。
上値は0.7820、0.7910米ドルに抵抗線控え、下値は0.7770、0.7740〜50、0.7690米ドルにサポートあります。
朝方シドニーの講演会で、ロウ豪州中央銀行総裁が @豪ドルは適正水準近辺にある、A豪州の次の金利変更はおそらく利下げではなく、利上げになろう、B景気拡大で利上げが早まれば良いこと、Cインフレ目標値達成は緩やかなものになるだろう、と発言しており、ここまでの豪ドル安を容認し、先々は利上げの可能性を示唆した発言となっており、この発言も豪ドルを動かしにくくなっています。暫くは豪州対米の景気格差をウォッチせざるを得ない状態です。(3月7日11:00、1豪ドル=0.7803米ドル)
オーダー/ポジション状況
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