米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利の予想
(東京時間では2023年2月2日未明)
NY時間2月1日14時(水曜日)にFOMC会合の記者発表要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。
(1) 政策金利(2月1日 9時00分現在の予想)
現在のFFレート「4.25%〜4.50」⇒0.25%利上げし「4.50〜4.75%」
(レンジは下限4.25〜4.75%{上限4.50〜5.00%}で、利上げに関するレンジは据え置きの0%〜0.50%までを予想)
エコノミスト予想は中央値で25ベーシス(BP)の利上げ予想になっています。注目点としては、
@ FOMCメンバーの意見(下記4)を見る限り、数名の委員が0.25%利上げを支持しています。
A 下記(3)のCME Fedwatchを見ても、今回は25BP上げ予想が97.7%に上り、50BPは僅かですので、もしエコノミスト予想の据え置き乃至50BPの利上げになるとサプライズになると思われます。
B FRBはインフレがまだ高いとの見方を崩さず、FRB議長の記者会見でも利上げ継続路線の姿勢(タカ派的表現)が続くと見られています。
C 現状では年内に利下げできる状況にはなく、引き続きインフレ目標としている2%かそれに近づく確信が持てるまでは緩和しないことを表明する。
D 今までの利上げ局面では、全員一致の利上げでしたが、今回の投票から分かれる可能性があるます。据え置き賛成者や、50BP利上げ賛成者の意見相違があるかをみます。
以上が予想される項目と思われます。
(2) 前回12月FOMC会合での議事要旨の一部(1月4日公表)です。
利上げ継続を確認した内容で、FFレートの目標レンジを引き下げると見ている委員は皆無と述べています。
FOMC議事要旨(一部抜粋)
(前略)
今回の会合で、適切な金融政策行動を考えるにあたり、参加者は、委員会が過去1年間、金融政策に関し十分制限的なスタンスに向け動いたことで重要な進展を遂げたことで一致した。それでも、参加者はインフレが依然として委員会長期目標の2%を大きく越えていることで合意した。一方、労働市場は非常にタイトなままであり、賃金や物価の上昇圧力に寄与していることで合意した。(一部略)
政策見通しの議論の中、参加者はFFレート目標レンジの継続的引き上げが、委員会目標の達成のためには適切であると引き続き予想している。将来の目標レンジの引き上げペースを決定するにあたり、参加者は金融政策の累積的引き締め、その金融政策が経済活動やインフレに与える影響の遅れ、そして経済や金融の進展具合を考慮することが適切である判断した。(一部略)
2023年にFFレートの目標レンジを引き下げ始めることが適切であると予想した参加者はいなかった。参加者は、インフレが2%まで持続的に低下する道のりにあると確信するまで…それにはおそらく時間掛かるだろう…、全般的に制限的な政策スタンスを維持する必要があると認めた。インフレが持続的で容認できないほどの高い水準にあることで、幾人かの参加者は、歴史的経験則が時期尚早の金融緩和には警鐘を鳴らしているとコメントした。
(以下略)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(3)CME Fedwatch
CME Fedwatchは今回の利上げ予想を見ると、前回12月時に比べて赤字の部分の予想が無くなっています。かなり、FFレート上げも最終段階に近づいてきているとの見方になっています。
(12月13日時点:前回)
(1月31日時点:今回)
(4)最近のFRB関係者の主な発言(最近1・2週間分程度)
1月21日 ウォラー・FRB理事 「次回FOMCでは0.25%の利上げを支持」
1月21日 ジョージ・カンザスシティ連銀総裁 「FRBはもう少し辛抱する必要がある」
「インフレは引き続きFRB目標をかなり上回っている」
1月20日 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「今後は0.25%の利上げを支持」
1月20日 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「利上げの余地はまだある」
「利上げサイクルの停止点は指標次第」
1月20日 ブレイナードFRB副議長 「インフレはここ数ヶ月で低下したが、まだ高い」
1月19日 コリンズ・ボストン連銀総裁 「利上げペースをより緩やかにすることは適切」
1月19日 ローガン・ダラス連銀総裁 「次回会合で利上げペースの一段の鈍化を支持」
1月19日 メスター・クリーブランド連銀総裁「金利は5〜5.25%を若干越えて上昇するべき」
「利上げを一時停止する前に、インフレがより速く低下するかを見る必要がある」
1月19日 ブラード・セントルイス連銀総裁 「利上げ打ち止め前に、可能な限り迅速に5%越えに引き上げるべき」
1月18日 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「最終金利はインフレの進路に依存」
「金利は4.75〜5.25%の範囲でピークに達する可能性があるとの私の見方は確定していない」
1月13日 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「インフレ鈍化との認識なら0.25%で動くことに懸念ない」
1月11日 ボウマン・FRB理事 「追加利上げが必要と予想」「FRBは利上げ後、暫くの間は金利を維持する必要がある」
下記はドル円の月足チャートです。昨日1月足ができ、実体部分が小幅陰線となる十字線になりました。昨年11月・12月は大陰線となりましたが、1月足はドル弱いながらも気迷いとなっています。
流れはまだ長期のドル高下で、2020年3月底値のサポートA(=106円10銭)と2021年1月底値B(=122円80銭)でドル高を支えています。直近は昨年3月底値からのサポートC(=146円)を11月に下抜きましたので、中期ドル安下で目先はまだ昨年5月底値のF(=126円38銭)、そしてBとAの順にあるサポートを目指せる流れにいます。
ただ、1月足が気迷いなので、2月は11月以降のドル安が継続できるか、一度調整入りになるかの分岐点にいます。
その中心になるのは窓空けのE(=131円12)で、これを越えて行けば(最低でも日足終値でのE越えが2日間は欲しいところです)、1月高値の134円77銭と窓空けD(=138円07銭)方向のどこまで戻れるかを試すことになります。一方、中々Eを越えられない場合は、次の下値目途としてF、ここを切ればBそして昨年3月の窓空けのG(=121円70銭)方向が視野に入ります。当面はEを中心にDとFのレンジを見ておきたいと思います。
(2023年2月1日14:50、1ドル=130円28銭)
オーダー/ポジション状況
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