ドル続落し直近安値更新、依然予断許さず
〇本日のドル円、127.25レベルまで1円近く急落するもドルが買い進まれ128円台を回復
〇本日はキング牧師生誕記念日でNY休場、かつ材料も少なめで基本的には動きにくそう
〇日銀金融政策決定会合の結果が公表される18日の昼ごろは荒れた値動き必須とみる
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.30-128.80
〇ドル高方向は本日東京高値の128.20レベルが最初の抵抗
〇ドル安方向はフィボナッチポイントにも合致する東京安値127.25レベルがサポート
<< 東京市場の動き >>
週明け16日の東京市場は結果「行って来い」。一時ドル安が進展し、直近安値を下回るも続かなかった。
先週末、岸田首相とバイデン米大統領が会談を行ったことが一部で話題に。またWHOなどの是正勧告もあり、中国政府が「過去1ヵ月間でコロナ関連死がおよそ6万人」と公式発表したことも思惑を呼んでいた。
そうした状況下、ドル/円は127.85円レベルで寄り付いたのち、当初は上値を試す展開。128円台へと乗せ、日中高値の128.20円レベルへ。しかし、高値示現後は一転して下値を試す展開になると127.25円レベルまで1円近くも急落。ただ、下値も攻め切れず再びドルは買い進まれると128円台を回復するなど、なかなか荒い乱高下をたどっていた。16時現在では128.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日米首脳会談」と「中露共闘姿勢」について。
前者は、実施された日米首脳会談でバイデン氏が、日米の同盟関係に強くコミットしていると述べたうえで、対ロシア制裁およびウクライナ支援の継続などが改めて確認されたことを明らかにした。しかし、バイデン氏の機密資料持ち出し問題が影響したのか通常実施される終了後の共同記者会見が見送られるなど、やや不完全燃焼ともいえる一面も。なお、バイデン氏法律顧問は、そののちバイデン氏の私邸で機密文書をさらに5ページ発見したことを発表。今後の火種となる可能性もある。
対して後者は、中国の国家衛生健康委員会トップ馬主任が、WHOのテドロス事務局長と電話会談したことを明らかにした。そのうえで、前述したように中国政府が「過去1ヵ月間でコロナ関連死がおよそ6万人」と公式発表するなど、要請に応じた一部の情報解禁が観測されている。そうしたなか、在日本中国大使館は17日から入国時の陰性証明書の携帯義務付けを通知するなど、日韓などに対しては引き続き厳しい対応に動いていることが改めて鮮明となった。
<< 欧米市場の見通し >>
今年に入り2週連続で、週間レンジが5円を超えているドル/円相場は、本日東京もなかなかの変動。片道でも1円ほど動いたうえ、下がって上がるというVの字型の変動で往復では2円近い値動きが観測されている。本日はNY休場かつ、材料も少なめで基本的には動きにくそうな雰囲気だが、依然として予断を許さない。逆に参加者が乏しく薄商いを狙った仕掛けなどから、相場が荒れる展開にも注意を要したい。
引き続き日米金利情勢が注目されるなか、市場は17-18日に実施される日銀金融政策決定会合を注視している。なかでも結果が公表されると予想されている18日の昼ごろは荒れた値動きが必須と見られ、いまからポジション管理をしっかりと考えておきたいところだ。一方、それとは別に中国を中心とした新型コロナの感染状況と、それを取り巻く政治・国際ファクターなどにも一応要注意。一部では中国における感染ピークアウト説も取り沙汰されるが、このあと春節(旧正月)を迎えることから、まだまだ油断禁物という気もしている。
テクニカルに見た場合、先週末7ヵ月ぶりに127円台へと達してきたドル/円相場は本日東京で小幅に続落。直近安値を下回る局面も観測されていた。ただ、フィボナッチの観点でいえば、本日東京安値127.25円レベルは2021年安値102.59円を起点とした上げ幅の半値押しにほぼ合致するテクニカルポイント。つまり、相撲でいえば徳俵上でギリギリ踏みとどまったと言えるかもしれない。このあとも、同レベルの攻防には注目だ。
本日はキング牧師生誕記念日でNY市場が休場。そのため、米経済指標発表のほか、米通貨当局者による講演、米企業の決算発表などもとくには予定されていない。新規材料にやや乏しいが、いわゆるダボス会議が開催中であり、その出席者からの発言には一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.30-128.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の128.20円レベルが最初の抵抗か。抜けても129円前後がレジスタンスとなりそうで、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、フィボナッチポイントにも合致する東京安値127.25円レベルの攻防に注目。下回れば127円割れも否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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