シカゴポジション(CME)369
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年1月10日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴの上記4通貨の内、NZドルを除き全て米ドル売りとなりました。NZドルは小幅推移になっています。相場は4通貨に対してドル全面安となっているので、シカゴにとり豪ドルと円が一段と厳しい状況になっており、NZドルとユーロが相場観通りになっています。シカゴは昨年8月時点ではドル全面高とみて、4通貨共に米ドルロングにしていましたが、現在の相場はまだドル全面先安とは見ていない様です。
まず豪ドルですが、ネットポジションでは2,500枚程度のネット豪ドルショート減ですが、総枚数では12,500枚も減らしており、引き続きリスク回避の動きです。豪ドル先安観は維持しています。一方のNZドルはややロングを減らした程度で、オセアニア通貨の真逆のポジションは解消されていません。豪ドルは直近、最大ショート(▼51,400枚)だったのが昨年10月25日締日で、終値が0.6394。その後はほぼ3ヶ月弱の豪ドル高推移ですので、戻り売りせずに、小幅のポジション調整をしている状況です。まだ暫くの間、両通貨のサヤ寄せをみます。
円は再度ポジション調整してきました。12月27日締日はネット▼37,700枚(終値133円49銭)、1月3日同▼46,800枚(同131円02銭)、1月10日同35,300枚(同132円26銭)ですので、狭いレンジで押し目買い、利確売りに撤している様です。しかしながら、12日の米CPI以降に大幅な円高となっているので、明日の締日で押し目買いしているか、ネットポジションを一段と減しているかを見ます。後者なら何年かぶりのポジション・チェンジ(相場観変更)が見られるかもしれません。
ユーロは3日締日終値が1.0548、10日が同1.0733でしたので、押し目買いになっています。
現在は1.08台半ばなので、明日の締日でネット15万枚付近までロングは増えていれば、目指すは1.10方向が見えてきます。
シカゴはロング5,000枚減、ショートは7,600枚減で、ネット2,600枚の豪ドルショート減になりました。相場は昨年11月以降からやや豪ドル高推移でしたが、概ね0.6650〜0.6900レンジ内で上下を繰り返してきましたが、現在は遂に0.70の大台乗せになっています。昨年8月16日締日に0.7022の終値がありましたが、0.70を維持したのはこの週だけでした。チャート内の赤の豪ドル安トレンドラインが今週0.6050〜0.6540付近にあり、終値は上限から一段と大きく越えています。そして10月11日底値から緑のラインは前回0.6730にあり、ギリギリでサポートを守っていましたが、10日締日では豪ドルが大きく跳ねています。昨年4月に下抜けた黒のサポートが現在は0.73付近で抵抗線になっていますので、ここまでの戻り余地が広がっています。
実際の相場は、先週「…今週は0.6710〜0.6980レンジの豪ドル高トレンドラインになっており、締日以降の底値は4日の0.6716で、最初のサポートを守り、高値は昨日0.6951まであり、ほぼトレンドラインの上下をトライしています。シカゴにとっては非常に苦しい豪ドルショートになっています」としましたが、このトレンドラインは今週0.6740〜0.7010にあり、まさしく今日はこの上限にいます。この上限はサポートから平行に上げたものですが、ほぼ高値を結んだ線と合致しています。1週間で30ピップス程度の上昇ですので、金曜日に0.7040付近の上値を守れるか否かになります。また0.7050は昨年8月初旬の高値に当たります。万一越えた場合は、昨年8月11日高値の0.7138方向がポイントになります。シカゴは戻り売りしていないので、何処までショートに耐えられるかを注目します。下値サポートは0.6970、0.6920、0.6890にあり、最後切れて終れば上記レンジの下限方向を狙う形になります。(1豪ドル=0.7001米ドル、1月16日13:45)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.04.24
ドル円見通し わずかに高値切り上げるも155円に届かず、日銀会合等控えて慎重な動き(24/4/24)
ドル円は、155円手前での市場介入警戒感もあり上昇が勢い付くことはなく慎重な動きを続けている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.24
ドル円、約34年ぶり高値圏で一進一退。週後半の重要イベントを控えて身動き取れず(4/24朝)
23日(火)のドル円相場は高値圏で一進一退。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.04.23
東京市場のドルは154円台後半でのもみ合い、 155円手前の壁は分厚いか(24/4/23)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、目立った売買材料が観測されないなか、154円台後半でのもみ合いとなった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。