豪州株式・NZ株式及び為替の動き47(22/11/18)

豪州ドル対NZドル相場

前回のレポート（22年6月22日付：1豪ドル＝1.1045NZドル）以降、ほぼ一本調子の豪ドル高NZドル安となり9月28日に1.1497の高値をつけました。その後は反落して11月7日に1.0817の底値をつけ1.0890付近で推移しています。豪ドル/NZドルにしては短期間で結構大きな動きとなりました。
下表は豪ドルの高値と安値をつけた5週間前（9月6日締日）からのシカゴネットポジションの枚数を記しています。9月下旬に向け、シカゴは豪ドルショートを減らし、NZドルショートを増やしています。NZドルは目安となる2万枚近くで一気にポジション調整して買い戻し、その後は横這いになっています。現状のスポットは大きく米ドル安オセアニア通貨高になっているので、ポジション残からみて、オセアニア通貨のショート買い戻しの場合は豪ドル高に傾く可能性がありますが、オセアニア通貨先安観を維持していれば、暫くは豪ドル/NZドルは方向感がでない可能性もあります。

さて、前回6月のレポートで、
「（前略）…（相対株価から見ると）オレンジ色の豪州株対NZ株は、2020年第4四半期に底打ちしてから豪州株＞NZ株のトレンドを継続しています。資金の流れが豪州に向かっているので、まだ豪ドル堅調となります。（中略）…週足ベースでは2021年11月底値からの豪ドル高トレンドラインが1.0900〜1.1250にあり、この間の1.0950にも強いサポートがあります。上値は1.1100〜10、1.1130、1.1170〜80の順に抵抗線あり、最後越えればトレンドライン上限の1.1250狙いに入れます」としましたが、高値は1.15付近までありましたので、トレンドライン上限を越える豪ドル高になり、その後は大きく反落しています。

さて、下図（１）の2011年からのチャート（月足終値ベース）では、2013年以降の青い3角保合い（レンジは1.0350〜1.1090辺り）を上抜け、2013年高値との顔合わせになりました。その後の急落で、このサポートに絡んでいます。株価指数の長期での豪州株＞NZ株の動きは変わらないので、押し目ではまだ豪ドル選好になりそうです。

実際の相場は、月足ベースで2015年3月実体ベースの底値からのサポートが1.0230にあり、ここから平行に上げたラインが1.150に出来て、丁度9月高値を規定しています。7年に亘る豪ドル高トレンドライン（1.0230〜1.1500）はまだ維持しています（注：下図（２）では終値ベースでこの豪ドル高トレンドラインを形成しており、レンジは若干差異があります）。この間で何度か止まった高値1.1090のサポートを現在は下に切っているので、今月末に下抜けしたかを確認します。このレンジ間の上下分岐点になります。従い現在は上値抵抗線になっています。次のサポートは1.0790、2021年9月底値から上げたサポートが1.0530にあるので、押した場合はこの2つのサポートをみます。上値は1.1100に乗せてくると、1.1180、1.1290に抵抗線があり、再度1.150方向狙いになります。現状ではまだ下値模索の状況で豪ドルの買い場探しになっています。

週足ベースでは、2021年11月22日底値からのサポートが1.1220にあり、そこから平行に上げた抵抗線が1.1620にありましたが、10月17日週に下抜け、豪ドル安リスクが高くなっています。昨年9月13日週底値からのサポートが1.0480にあるので、最大でここまでの下値をみておく必要があります。この間の1.0800〜10と1.0610に強いサポートが控えています。月足同様に下値模索先行です。

（注：（１）と（２）チャートは直近までの数値を加えたものになっています。相場は全て月末終値で記載していますので、実際の相場での高値・安値のヒゲ部分はありません）