米10月卸売物価指数(PPI)の予想
本日(15日)、米国10月卸売物価指数(PPI)が公表されます。先週のCPIは予想を下回る結果に、ドルは全面安となり発表前に146円50銭付近だったドル円が急落し、先週金曜日には138円47銭の底値をつけ138円81銭で先週は引けました。現在は140円台前半に戻していますが、10月21日の高値151円95銭からは3週間で10円以上の急落になっています。
さて、前回9月のPPIは全体が予想よりやや上がり、コアは逆にやや下回りました。今回の10月予想は、全体がやや低下、コアは横這いになっています。年率に数値自体はまだ高止まり傾向となっています。
PPIはCPIの先行指標なので、もし今日の結果がインフレ低下傾向を示す数値になれば、時間経過でCPIにも影響してきます。下図@を見ると、PPIは6月の11.3%から7月9.8%、8月8.7%まで急激に下がっていますが、9月は落ち着いた結果になっています。流れはPPIとCPIが相関して下落していますが、まだ両者は交差しておらず、大幅なCPIの低下に繋がるかはまだ疑問が残ります。下図AではPPIを2ヶ月先行させていますが、相関はしているものの、インフレ低下はまだ緩やかなものになりそうです。
今回のPPI結果が
@ 予想レンジの下限以下ならインフレ沈静化が一層進展し、先週発表のCPI低下が今後も継続するとの市場観測が生まれ金利低下に繋がりそうです。
A 逆に予想レンジの上限を越える結果になると、先週のCPI下落が一時的になる可能性が高まります。そして、CPI後の相場が大幅なドル安でしたので、債券・為替相場への影響が注目されます。
B もし予想通りの数値なら、市場の先行き利上げ幅減速・米金利低下観測が続くのかをみたいと思います。
2022年11月15日9時現在予想
米国の卸売物価指数全体(PPI:オレンジ)とCPI(青)の前年比ベース推移
@CPIとPPIの同月推移
(オレンジの矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
ACPIをPPIから2ヶ月後ろにずらしたチャートにしています。
下図はドル円の週足チャートです。先週CPI時に添付したチャートの続きです。
3月7日週値からのサポートA(=141円30銭)があり、そこから平行に上げたB(=153円05銭)でドル高トレンドラインを形成していましたが、先週のCPIで下抜けました。ドル一段安のリスクが非常に高くなっています。先週底値は7月11日週の実体高値(=138円60銭)で止められており、まだ続落にはなっていません。もしこれを下抜けると、次は4月25日週の高値や5月30日週高値のD(=131円00銭)付近がサポートになります。
上値はAが抵抗線になっており、これ以上で終われればAとBのトレンド内に回帰できます。そして高値からの抵抗線E(=147円85銭)への方向が見えてきます。
尚、長期では2021年1月初旬の底値からのサポートF(=119円50銭)があります。
ご参考まで、月足のラインAに相当するのが139円10銭〜20銭にあり、今月末に139円未満で終わるとドル安の再確認になります。
(11月15日12:30 1ドル=140円45銭)
オーダー/ポジション状況
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