米消費者物価の結果如何で波乱含みか
〇本日のドル円、146円前半の50ポイントレンジのなかで上下に振れる往来相場
〇黒田日銀総裁「最近の円安は日本経済にマイナス」と述べ為替市場への警戒感示す
〇前日急落をたどったビットコイン、本日未明の15600ドル台を目先安値に1000ドル以上反発
〇本日発表の10月米消費者物価指数に注目、市場ではやや強気予想をする向きが多い
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.60-147.10
<< 東京市場の動き >>
10日の東京市場はドルが小安い。本日は50ポイントにも満たないレンジ取引をたどるなか上値は重かった。
ドル/円は146.45円レベルで寄り付いたものの、基本的にレンジ取引。146円前半の50ポイントレンジのなかで上下に振れる往来相場をたどるなど、いまひとつ方向性はハッキリせず。一連の過程のなかで黒田日銀総裁の発言なども伝えられたが、目立った影響はみられないなか、16時現在では146.25円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀の金融政策など」と「暗号資産の大荒れ続く」について。
前者は、参院財政金融委で行われた、日銀の「通貨および金融の調節に関する報告書」(半期報告)の説明について黒田日銀総裁が出席。内容説明と質疑が実施されている。そのなかで黒田氏は「金融緩和を継続し日本経済を支える」、「出口戦略を議論して示す段階にはない」と金融政策の変更は考えていない旨を指摘すると同時に、「いつまでもドルの独歩高が続くとは考えてない」、「最近の円安は日本経済にマイナス」などと述べ、為替市場への警戒感を示していた。
対して後者は、前日15%を超える急落をたどった暗号資産(仮想通貨)ビットコインだが、依然として下げ止まらず。財務不安の指摘される交換業大手FTXトレーディングの米国事業以外を同業最大手のバイナンスが買収することで一時話がまとまったが、そののち正式に破談となった。それを受け、FTXが資金引き出し要請を満たすため緊急資金提供を求めるなどの対応に動くなか、ブルームバーグでは最悪のケースとして「追加資金がなければ破産法申請必要」と報じている。引き続き予断を許さない。ただ、ビットコインの値動きだけを見ると、本日未明の15600ドル台を目先安値に1000ドル以上反発しており、短期的には底入れした感も。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週末4日から8日まで3営業日連続で日足は陰線引けとなっていたが、昨日は陽線引け。ドルが小幅に反発したためで、4日連続は回避された。それもあり、145円台での底堅さを再確認した格好ではあるものの、リスクという意味では引き続き下方向にバイアスか。10月21日の円買い介入後安値144円半ばをしっかり下回ってしまうと、下値余地が一気に拡大する可能性もある。
市場筋の関心を集めている米中間選挙は、当初「上院が接戦となるなか、下院は共和党が多数派を奪還する勢い」などと報じられていたが、その後情勢が少し変化し、投票日から一日たっても上下両院の勝敗が正式に決まらない異例の展開となっている。また、そうした状況を受け、バイデン米大統領が次期大統領選出馬への意欲を高めているといった情報も別途散見されていた。一方、それとは別に日米金利差に着目した観点からは、発表される10月の米消費者物価指数に注目。市場ではやや強気予想をする向きが多いようだが、果たして結果は如何に。
テクニカルに見た場合、ドル/円の4営業日続けての陰線引けとならず。市場はまだドルの弱気ムードがまん延しているほどには至っていないようだ。とは言え、ドルを積極的に買っていくほどの雰囲気も乏しく、結果としてドルは145-146円台などでの弱保ち合いか。本日の欧米時間に発表される米消費者物価を受けた動意が鈍ければ、しばらくは時間調整と思しき前述したレンジなどで一進一退、次の方向性を探る動きが続くことになりかねない。
本日は米経済指標として、10月の消費者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。また米財務省による30年債の入札や、ジョージ・カンザスシティー連銀総裁の講演などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.60-147.10円。ドル高・円安方向は昨日高値146.79円、そして一昨日の146.93円をめぐる攻防にまず注目。抜けると147円半ばなどを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、東京で割り込めなかった146円レベルがサポートになりつつある。下回ると、昨日安値を含めた145.10-20円がターゲットとなりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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