ユーロ圏10月消費者物価指数(HICP)速報値予想
ユーロ圏HICP(2022年10月31日10時30分現在予想)
(2022年10月31日19時00分発表予定)
注:欧州は10月30日に標準時間に移行しましたので、前月発表より1時間遅れになっています。
本日ユーロ圏の10月消費者物価指数が発表されます。また同時刻に欧州圏第3四半期GDP速報値が公表されます。市場は前者をより重視すると見ていますが、もし前者が予想通りなら後者の数値結果が材料視されると思います。
さて、前回9月は全体・コア共に予想を上回りました。今回10月も更にインフレ高進予想になっています。その前哨戦となるドイツの10月消費者物価指数が先週28日に先行して発表されましたが、前月比+0.9%(予想0.6%)、前年比10.4%(予想10.1%)となり、インフレの高まりが継続し、今日のHICP予想中央値も先週末よりも上方修正されています。
先週のECB金融政策では予想通りの利上げ幅を実施し、今後も利上げ継続の方針を示唆していますが、一方で、量的緩和は継続しており景気への配慮もあります。米国は既に量的引き締めに入っているので、今回強めの結果が出た場合、ECB委員の発言を注目したいと思います。
尚、ご参考まで、下表は同時刻に発表される欧州圏第3四半期GDP速報値の予想です。
欧州圏第3四半期GDP速報値
(2022年10月31日19時発表:HICPと同時刻)
ECBスタッフによる9月時点GDP見通しは、2022年平均+3.1%、2023年には大きく減速し平均+0.9%、2024年は平均+1.9%になっています。尚、ユーロ圏は1Q・GDP+5.4%、2Q+4.1%ですので、今回の数値が予想通りなら概ね達成できそうです。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
上図をみると、相変わらずの右肩上がりを継続しています。ECBは9月時2022年平均インフレは8.1%と予想していますが、今回予想通りなら平均で7.6%になります。まだ予想範囲内ですが、上図の予想値水準(赤の線)を大きく上抜いているので、インフレ軟化はまだ先行きが見えない状況です。
下図はユーロドルの月足チャートです。今日月足ができますが、今月の寄りが0.9793ですので、このままでしたらほぼ陽線引けになりそうです。
ユーロは2020年3月底値からのサポートAを2021年10月に下抜け、ユーロ安に変わりました。そして2021年6月高値からの抵抗線がB(=1.0750)にきています。
今年2月高値からの抵抗線C(=1.0080)には10月もタッチしました。ここから平行に下したD(=0.9350)でユーロ安トレンドラインを形成しています。しかしながら、このラインCは1ヶ月で100ピップス強下落するので、11月は0.9980付近になります。もし10月がこのままの陽線引けになると11月に上抜けし易くなっています。下値は実体部分のE(=0.9793:今月寄り値)でサポートされており、11月はまずCとEのレンジで見て、どちらに抜けるかとなります。Eを下抜けばこれまでのユーロ安トレンドに回帰します。逆にもしCを上抜ければ当面はBと横抵抗線のF(=1.0800)ゾーンへの上値余地が広がります。
日足・週足は先週に抵抗線を上ヒゲだけ抜けており、上値が広がる可能性を残していますが、一方で、目先は日足で先週金曜日にサポートを下抜けており、9月28日底値からのサポートが0.9730にあるので、先に下押しを示唆しています。以上から、11月初はまだCとEのレンジになる可能性が高いですが、まず今日のHICPの結果で月足の形状がどの様になるかを見たいと思います。シカゴのユーロロングポジションが気にかかるところです。
(10月31日13:20 1ユーロ=0.9963ドル)
オーダー/ポジション状況
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