欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(22/10/28)

2022年10月26日・27日会合

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表(22/10/28)

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

昨日ECB金融政策会合後に要旨の記者発表がありました。政策金利に関しては事前の予想通り、0.75%の利上げを実施しました。高いインフレ率で今後も継続利上げを想定しています。また、債券購入に関する項目はこれまで同様で継続となり、量的引き締めの開始時期などの議論は無かった模様です。
ユーロドル相場は発表前1.0050ドル付近で推移していましたが、債券購入停止議論が無かったことで、内容的には緩和的と受け止められ、ユーロは0.9958まで売られ、安値圏の0.9964で引けました。

以下は昨日の金融政策に関する記者発表要旨です。

(記者発表要旨)

本日、運営審議会は3つの主要ECB金利に対し0.75%の引き上げを決定した。この3回目の主要政策金利の連続上げにより、運営審議会は金融緩和政策の撤退に関し、相当な進展を遂げている。運営審議会は本日の決定を受け入れ、中期的インフレ目標2%に向け、時期を得て引き戻すことを確実にするため、更なる金利引き上げを予想している。運営審議会は、会合毎のアプローチに従い、インフレや経済に関し進化していく見通しに基づき、将来の政策金利の道筋に礎をおいていくつもりである。

インフレは依然として非常に高く、更に長期に亘り目標を上回ったままとなろう。9月に、欧州圏のインフレは9.9%に達した。ここ数ヶ月、急騰するエネルギーや食料価格、供給のボトルネックやパンデミック後の需要回復は、幅広い価格圧力やインフレ上昇をもたらした。運営審議会の金融政策は、需要に対する支援を減らし、インフレ期待の持続的な上方へのシフトを防ぐことを目的としている。

また運営審議会は第3シリーズの長期借り換えオペレーション(TLTRO V)の取引条件変更の決定をした。パンデミックの急性期には、この手段は物価安定に対する下振れリスクに対抗する主要な役割を演じた。今日、予想外で異常なインフレ上昇を見ると、金融政策正常化の過程と一貫させ、政策金利上げの伝達が銀行の貸出条件を補強することを強化するため、それは再調整される必要がある。それ故、運営審議会は2022年11月23日からTLTRO Vに適用される金利を調整し、銀行に対し追加の自主的早期返済日を提供することを決定した。
最後に、信用機関により保有されている最低準備金の報酬を、短期金融市場の情勢により接近したユーロシステムと密接に提携するため、運営審議会は最低準備金の報酬をECBの預金ファシリティレートに設定することを決定した。

(TLTRO Vの利用規約の変更に関する項目は略)

ECBの主要金利

運営審議会は3つの主要ECB金利を75ベーシスポイントの引き上げを決定した。これに従い、政策金利(主要リファイナンスオペの金利)、限界貸付金利、中銀への預金金利はそれぞれ2.00%、2.25%、1.50%である。2022年11月2日から有効となる。

資産購入プログラム(APP)とパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)

運営審議会は、ECBの主要金利の引き上げを開始した日から経過した長期間、いずれにせと、十分な流動性条件と適切な金融政策スタンスを維持するために必要な限り、APP下で購入され満期到来からの元本を全額再投資継続する意向である。

PEPPに関しては、運営審議会は、少なくとも2024年末までこのプログラム下で購入され満期到来した元本は再投資する意向である。いずれにせよ、PEPPポートフォリオの将来のロールオフ(買取を止める)は、適切な金融政策スタンスへの干渉を避けるために管理される。

(以下リファイナンス業務の項目は略)

(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図はユーロドルの日足チャートです。今週26日の金融政策予想時に添付した週足チャートは抵抗線を抜けたものの、次の抵抗線1.0100で上値を止められ反落しています。急激なユーロ安トレンドラインが0.9370〜1.0000でしたので、もし今日パリティ以下でNYが終わると週足では上ヒゲだけの抜けになります。
日足チャートは2月10日高値からの抵抗線A(=0.9950)を既に3営業日抜けています。Aはかなり強い抵抗線でしたが、やや短期ではユーロ高トライの様相になっています。9月28日底値からのサポートB(=0.9750)、ここから平行に上げたC(=1.0165)で短期のユーロ高を形成しています。日足はここ2手で26日陽線の全戻し陰線になりましたが、もしA未満に潜り込んだ場合はトレンドライン下限Bまで下値余地が広がりますが、もし潜り込まない場合はまだ上値トライの芽を残しています。
また想定はし難いですが、もしCを越えた場合は横抵抗線D(=1.0370)付近までの上値余地が広がりそうです。

欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表

(2022年10月28日11:00、1ユーロ=0.9993ドル)

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