米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利議事要旨(22/8/18)

昨日(8月17日)、7月下旬開催のFOMC金融政策会合の議事要旨が公表されました。

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米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利議事要旨(22/8/18)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利議事要旨

(会合は2022年7月26・27日開催分)

昨日(8月17日)、7月下旬開催のFOMC金融政策会合の議事要旨が公表されました。この中で、経済が鈍化している部分と、利上げと経済鈍化に関連する一部を和訳しました。また記者発表要旨も添付しています。

(1)FOMC議事要旨の一部抜粋 (参加者の現状及び経済見通しに関する見方)の項目

(前略)
現在の経済活動について、参加者は、消費支出・住宅活動・企業投資そして製造業の生産が2021年に見られた力強い成長率からは全て減速していることを確認した。しかしながら、労働市場は依然として強いままである。参加者は、支出と生産の指標が今年第2四半期に、経済活動が幅広く緩やかになったことが見受けられると認めている。多くの参加者は、いくつかの減速が…とりわけ住宅部門において…金融政策の継続的な強化に関連した金融市場の引き締めによる総需要への新たな反応を映し出していると指摘した。パンデミックに関連した財政政策による消費支出への大規模な支援の巻き戻し、インフレによる実質可処分所得の減少、パンデミックの初期段階で見られた上昇水準から一部の製品に対する需要減が家計支出の伸び低下に繋がった。加えて、海外経済の見通し悪化や強いドルが外需を弱めることに寄与している。

参加者は米国の実質GDPが下半期には拡大すると予想しているが、多くの参加者はこの先、金融情勢の引き締めがより強まりより幅広いため、総需要への影響がみられることで、経済活動の伸びがトレンドを下回るペースになるだろうと予想している。参加者は、トレンドを下回るGDPの伸びの期間はインフレ圧力を減じ、最大雇用と物価安定という委員会目標の持続的達成へ向けた舞台設定の手助けになるだろうと指摘した。

(中略)

今後の会合で潜在的な政策行動を議論するにあたり、参加者は、FFレート目標レンジの継続的な引き上げが委員会目標を達成する上で適切であると引き続き予想している。インフレが委員会目標をはるかに上回る状況で、参加者は、最大雇用と物価安定を促進するという委員会の法的使命を満たすために、政策の制限的スタンスへの移行が要求されていると判断した。

参加者は、政策金利引き上げのペースや将来の引き締め政策の程度が経済見通しに対し入手する情報への含みやその見通しに対するリスクに依存している。参加者は、金融政策のスタンスが一段と引き締まる時、経済活動やインフレに関して累積的な政策調整の効果を査定しながら、政策金利上げのペースを緩めることがいつかの時点で適切になると判断した。幾人かの参加者は、一度政策金利が十分制限的な水準に達したら、インフレが2%へ確りと戻る道のりを確信するまで暫くの間その水準を維持することが適切であると指摘した。(以下略)

(2)FOMC声明文記者発表要旨

最近の消費や生産の指標は軟化している。にも関わらず、雇用増加は最近数ヶ月間強く、失業率は低いままである。インフレは、パンデミックに関連した需給のインバランス、食料やエネルギー価格の一段の上昇、より広範な価格圧力を反映して、上昇している。

対ウクライナへのロシア戦争は途方もない人的・経済的辛苦をもたらしている。戦争やそれに関連した出来事は追加的なインフレ上昇圧力を生み、世界の経済活動に重く圧し掛かっている。委員会はインフレリスクに対して非常に注意を払っている。

委員会は最大雇用と長期的なインフレ目標2%を達成しようとしている。この目標を支援するために、委員会はFFレートの目標レンジを2.25〜2.50%に引き上げることを決定し、目標レンジの継続的な引き上げが適切であると予想している。加えて、委員会は国債・機関債・不動産担保証券の保有減少を続けるつもりである。これは5月に公表した「FRBバランスシートサイズ減少計画」に記載されている。委員会はインフレを2%目標へ回帰させることを強く付託されている。

金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対し入手する情報の含みを引き続き監視していくつもりである。もし目標達成を妨げるリスクが生じた場合、委員会は金融政策スタンスを適宜調整する用意がある。委員会の査定は、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待、金融および国際情勢に関する分析を含む幅広い情報を考慮にいれる。

金融政策行動に対する賛成票:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、マイケル・バー、ミシェル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、ジェームス・ブラード、スーザン・コリンズ、リサ・クック、エスター・ジョージ、フィリップ・ジェファーソン、ロレッタ・メスター、クリストファー・ウォラー。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

次回のFOMC会合は9月21日(水曜日)に予定されています。
(2022年8月18日11:00、1ドル=134円85銭)

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