ユーロ圏7月消費者物価指数(HICP)速報値の予想
ユーロ圏HICP(2022年7月29日9時現在予想)
本日、ユーロ圏の消費者物価指数が発表されます。前回6月は全体が予想を上回り、コアが下回りました。今回7月は両数値共に前月より上昇する予想になっています。米国が第2四半期に入りややインフレ高進が収まってきたのに対し、欧州圏はまだ沈静化が見られません。特にHICPコアの数値が4%に近くなるのでインフレ懸念は要注意です。また既発の独7月CPIが前月比0.9%(予想0.6%)でしたが、年率では6月7.6%⇒7月7.5%にやや落ち着いた結果になっています。HICP前に仏7月CPIが発表されますが、前年比で6.0%予想(6月は5.8%)ですので、この結果なら今回のHICPも予想通りになりそうです。先週はECB金融政策で予想を上回る0.5%利上げを実施しましたので、インフレ高止まりに先手(?)を打ったのかもしれません。
また同時刻に欧州圏2QのGDPが発表されます。予想は下表ですが、昨日の米国が2期連続のマイナスでしたので、経済規模を無視すれば伸び率としては欧州>米国になります。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はECBの2022年予想6.8%、緑はECBインフレ目標値上限2%)
上図をみると、まだ右肩上がりの状況は変わっていません。ECBの6月会合時でのHICP全体のインフレは年平均6.8%と予測しており、ここからも乖離したままです。尚、2023年は3.5%、2024年は2.1%への低下見通しになっています。
ユーロ圏2Q・GDP速報値
(2022年7月29日9時現在予想)
下図はユーロ円の週足チャートです。先週木曜日に7月PMI時に添付したチャートを少し長めにしています。その時点でユーロ下値リスクが高いとしましたが、ラインA(=143円20銭)とBでユーロ高ウェッジを形成していましたが、その下限を既に4週前に下抜け、しかも先週はそのAまで戻り高をやりましたが、上抜けできずに抵抗線として強くなっています。
現在は2020年5月初旬底値からのサポートC(=126円70銭)とそこから平行に上げたD(=140円80銭)のユーロ高トレンド内に回帰しています。暫くはこのユーロ高トレンド内で下押しがどこまであるかを見る状況にいます。最初が横サポートE(=136円90銭〜137円00銭)、次いでF(=134円10銭〜20銭)になります。後者を切れると、長期のユーロ高サポートであるCまでの下値余地がでてきます。まず今日のHICPとGDPでEを守れるか否かを試す流れになります。
(7月29日10:40 1ユーロ=137円26銭)
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