FOMCをにらみつつ、ドル高の調整継続か
〇ドル円、日中136.60-65まで上伸するも反落し一旦136円割れ、16時現在は再び136.45-50で推移
〇ロシアが「精密誘導ミサイルでウクライナ南部オデッサ港の軍事インフラを破壊した」と正式表明
〇今週は26-27日のFOMCに注目、0.75%の利上げ実施が市場のコンセンサス
〇本日は米経済指標として6月シカゴ連銀全米活動指数や7月ダラス連銀製造業活動指数が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.70-136.90
<< 東京市場の動き >>
週明け25日の東京市場はドルが小高い。先週末は調整と思しき動きから予想以上の下げを記録したドルだが、本日はドルの反発が目に付いた。
先週末は、「穀物輸出」合意の翌日にロシアがオデッサ港を攻撃したとして物議を醸す。また今週の米FOMCが注目を集めるなか、米財務長官が「米経済は広範なリセッションに陥っている兆しが見られない」と述べたと伝えられていた。
そうした状況下、ドル/円は136.05-10円で寄り付いたものの、細かく見るとなかなかの乱高下。ゴトー日ということもあり、仲値にかけて上値を試すと日中高値の136.60-65円まで上伸したものの、仲値過ぎには一転急反落すると136円割れへ。しかし、135.90円レベルで目先底入れしたのちは再び上値を試す展開で、さながら「行って来い」。16時現在では136.45-50円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「穀物輸出問題」と「中国情勢」について。
前者は、トルコ・イスタンブールで先週末22日、ロシアとウクライナは輸出再開と航路の共同監視を柱とする合意文書にそれぞれ署名したが、その舌の根も乾かぬ翌23日にロシア軍はウクライナ南部オデッサの商業港をミサイル攻撃したことが明らかになった。当初、トルコ国防相は「ロシアからまったく関係していないと説明を受けた」と擁護していたものの、そののち当のロシアが「精密誘導ミサイルでオデッサ港の軍事インフラを破壊した」と正式表明。さらに「穀物輸出に関する合意には反していない」と開き直りの姿勢も示していた。これらを受け、国連事務総長や米国務長官から非難コメントが発せられたうえ、ウクライナ大統領は「ロシアは港への攻撃で対話の機会を破壊した」と指摘しており、前途には暗雲が垂れ込めてきた。
対して後者は、依然として台湾をめぐる問題で米中のやりとりが観測されるなか、興味深かったのは英紙FTが報じたペロシ氏の訪台計画について、「中国が過去に米国の台湾政策に不満を示した際よりかなり強い警告を発し、さらに軍事的な対応の可能性も示唆した」とのくだり。続報なども気になるところだ。また、上海市政府が「市民に26-28日に新型コロナ集団検査実施を指示」したとの報道、政府系・環球時報が伝えた「中国の人口、21-25年に減少に転じる見通し」も一部で話題になっていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、先週末のNY時間に一時135円台半ばまで下落。調整局面ながら価格ではなく時間調整を見込んでおり、それからすると予想以上の下げ幅だ。過去2ヵ月程度、ドルの下値を支えてきた移動平均の21日線(136.70円前後)も足もとしっかりと割り込んでおり、さらなる下押しも懸念されるところだ。ただ逆に言えば、比較的早いタイミングで21日線を回復し、またサポートとして寄与するならば、下値トライはダマシだったということになる。
今週は注目材料目白押しのなか、先週の日銀そしてECBに続く米国の金融政策発表、つまり26-27日のFOMCが大いに注目されている。一時取り沙汰されていた「1.0%」との見方は後退したが、それでも「0.75%」の利上げが実施されることはほぼ市場のコンセンサスか。そうしたなか、本日も7月のダラス連銀製造業活動指数など、なかなか重要な米経済指標が発表されるものの、FOMC前ということで基本的には手控えムードの強いマーケットとなりそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は週末NYクローズでも21日線を下回ったうえ、6月16日安値131.49円を起点としたフィボナッチでは、上げ幅の約半値ほどの下押しが入った格好だ。したがって、フィボナッチの観点では先週末に示現した安値135.57円を下回ると、61.8%押しの134円半ばが次のターゲットとなる。さらなるドルの深押しも。対する抵抗は取り敢えず136.70円前後に位置する21日線か。
本日は米経済指標として、6月のシカゴ連銀全米活動指数や7月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるほか、やや少なめだが米企業の決算発表も幾つか予定されている。また、新たな日銀審議委員への就任が決定した高田・田村両氏の就任会見が東京17時から行われる見込みだ。こちらも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.70-136.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値も近い、移動平均の21日線が位置する136.70円前後の攻防にまずは注目。抜ければ137円台乗せも否定できず。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である135.90円レベルが最初のサポート。割り込めば先週安値の135.57円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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