米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利記者発表
(会合は2022年6月14・15日開催分)
昨日開催されたFOMC金融政策会合の記者発表要旨が公表されました。金利面では事前予想を越える0.75%の利上げ実施及び利上げ姿勢の継続を公表し、インフレ上昇圧力が強いままであることを確認しています。
(1) FOMC声明文記者発表要旨
全般的な経済活動は第1四半期に落ち込んだ後、持ち直していると見られる。雇用の増加はここ数ヶ月で力強くなり、失業率は低いままである。インフレは、パンデミックに関連した需給の不均衡、エネルギー価格、幅広い価格圧力を反映して依然上昇している。
ロシアによるウクライナ侵攻はとてつもない人的・経済的苦難をもたらした。侵攻とそれに関連した出来事によりインフレは追加の上昇圧力を生み、世界経済活動に重く圧し掛かっている。加えて、中国におけるCovid-19関連のロックダウンはおそらく供給チェーン混乱を悪化させるだろう。委員会はインフレリスクに対し非常に注意を払っている。
委員会は最大雇用と長期に亘るインフレ目標2%の達成を目指している。この目標を支援するため、委員会はFFレートの目標レンジを1.50〜1.75%に引き上げることを決定した。目標レンジの継続的な上げが適切であると予想している。加えて、委員会は国債、機関債、不動産担保証券の保有減少を継続する。これは5月に公表した「FRBバランスシートサイズ減少計画」に記載されている。委員会はインフレを2%目標へ回帰させることを強く付託されている。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対し入手する情報の含みを引き続き監視していくつもりである。もし目標達成を妨げるリスクが生じた場合、委員会は金融政策スタンスを適宜調整する用意がある。委員会の査定は、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待、金融および国際情勢に関する分析を含む幅広い情報を考慮にいれる。
金融政策行動に対する賛成票:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、ジェームス・ブラード、リサ・クック、パトリック・ハーカー、フィリップ・ジェファーソン、ロレッタ・メスター、クリストファー・ウォラー。
行動に対する反対票:エスター・ジョージは今回の会合で目標レンジを0.5%引き上げ、1.25〜1.50%にすることを選んだ。パトリック・ハーカーは今回の会合で代理メンバーとして投票した。(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2) FRB経済見通し中央値(6月時改定)
6月の見通しは大きく改訂され、GDPは大幅ダウン、失業率は悪化となり、インフレはやや上方修正となりました。結果、ドットプロット(分布は下記(3)をご参照願います)によるFFレートの中間値は僅か3ヶ月経過で大幅な上げ予想になっています。FRBはこれまでの中立金利への回帰からインフレ沈静化に舵を切った結果になっています。
(3)ドットプロット
前回3月
(予想委員16名)
.
今回6月
(予想委員16名) 赤字部分は3月時予想では無かった水準です
下図はドル円の日足チャートです。今年3月底値からのサポートA(=133円80銭)を一度切れましたが、6月7日に上に抜き返し、ドル高トレンド再確認し、135円台半ばまで上昇しました。直近は5月30日底値からのサポートB(=135円60銭)を昨日は完全に下回り、ドル高からの調整入りになるかのポイントにいます。今日・明日でAを切ると、下値リスクが高くなります。
昨日週足チャートを添付しましたが、週初に窓空けしていた134円41銭を埋めてきました。週初寄りが134円78銭ですので、上値はここが明日までの判断分岐点になります。越えてくれれば陽線になり、Aのサポートを守り、週足で134円41銭に窓が空きます。もし越えなければ陰線となります。そしてその際に134円40銭未満の終値なら高値からのカブセになります。中期でドル高トレンドは維持していますが、現状は短期的に押しが深くなるのか、昨日で下押しが終わったのかを今日・明日で探る展開になりそうです。
尚、深く下押しした場合には、Cの131円35銭辺りが目安になりそうです。上値はBに絡むか越えて行けば、Aをサポートにドル堅調になります。
次回FOMC会合の結果は7月27日(水曜日)に公表予定されています。
(2022年6月16日11:00 1ドル=134円68銭)
オーダー/ポジション状況
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