円安基調継続、135円台もついに視界内
〇本日のドル円、134.55レベルまで値を上げ、前日記録した年初来高値をわずかに更新
〇その後は調整入りドル売り・円買い優勢、夕方には133.65レベルまで下落
〇IMFの対日審査団長サルガド氏「大幅な円安はファンダメンタルズを反映している」との見方示す
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.80-134.20、134円前後が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は133円前後、昨日安値の132.60がターゲット
<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場はドルが小反落。ザラ場ベースでは前日に記録した高値を更新したものの、続かなかった。
ドル/円は134.25円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。134.55円レベルまで値を上げ、前日記録した年初来高値をわずかながら更新している。しかし勢いは続かず、その後は逆に調整と思しきドル売り・円買いが優勢に。夕方には133.65円レベルまで下落、16時現在では小戻した133.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、レベル的には昨日以上の円安が一時進行したものの、本邦要人による円安けん制発言は特別聞かれなかったようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、戦闘に関しウクライナの州知事が、要衝セベロドネツクをめぐる激しい攻防の末、「ロシア軍が同市の大部分を制圧した」ことを明らかにしている。一方、それとは別に国連事務総長は、国連幹部がウクライナ産穀物輸出をめぐりロシアなどと解決交渉をしていると発言。また、ロシアとトルコの外相会談が実施され、トルコ外相から「穀物輸出回廊の設置は理にかなっている」といったコメントも発せられていた。さらなる進展があるか注目だ。
対して後者は、国連総会における中露の北朝鮮制裁決議案への拒否権行使の説明要求に基づく会合が開催されたが、そのなかで中露は自身の行動を正当化するとともに、「決議案を主導した米国は無責任」などと逆に批判したという。そうしたなか、サリバン米大統領補佐官から引き続き北朝鮮の核実験を注視する旨の発言が聞かれたほか、朝鮮中央通信が「朝鮮労働党と政府の重要政策を決める党中央委員会総会拡大会議が8日招集された」と報じ、思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は連日の高値更新。昨日欧米時間に2002年4月高値の133.84円を超えただけでなく、本日も一時134円台を示現している。上昇スピードの速さや、ポジションの偏りは言うまでもないがリスクは引き続きドル高・円安方向へと高く、ついに135円台が視界内に捉えられてきた。2002年高値である135.20円をめぐる攻防にまずは注目だ。なお、それを超えると2000年代以降はじめてとなる140円台も、薄っすらとだがみえてくる。
日米などの金利差拡大観測が根強いなかの、円安進行ということもあり、「円安基調はファンダメンタルズに沿った」ものとの声も少なくない。そうしたなか本日東京時間に、「IMFの対日審査団長を務めるサルガド氏が、最近の大幅な円安はファンダメンタルズを反映しているとの見方を示した」と報じられ、一部で話題となっていた。事実上の円安容認発言で、ある種のお墨付きをもらったと言えるかもしれない。米株や金利の動きなどを注視しつつ、さらなる円安進行も。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高の流れ止まらず、いよいよ134円台へ。チャート的には2002年高値である135.20円も視界内に捉えられてきた。ここのところのドル上昇スピードの速さからすると、到達は存外早いのかもしれないと思っている。
ただ、5月24日に示現した前回安値126.36円を起点と考えても、わずか2週間で8円超の上昇はさすがに行き過ぎの感も。価格そして日柄の両面から、調整の動きにもそろそろ注意しておきたい。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、米財務省による30年債入札実施も予定されている。また、米国ファクター以外ではECBによる政策金利発表などに注目。今回の利上げは予想されていないが、7月と9月の利上げはほぼ確実視されていることから、次回会合に向けたスタンスを見極めたいとの声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.80-134.20円。ドル高・円安方向は、134円前後が最初の抵抗で、超えると東京高値の134.55円レベルが再び意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、時間足などを見ると133.60円前後がごく短期の目先のサポートか。しっかり割り込めば133円前後、そして昨日安値の132.60円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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