米株下げ止まるか、為替は株価に一喜一憂(5/19夕)

18日の東京市場はドルが小じっかり。ザラ場ベースでは1週間ぶりの安値127円台を付ける局面なども観測されたが、そののちドルは買い戻されている。

米株下げ止まるか、為替は株価に一喜一憂(5/19夕)

米株下げ止まるか、為替は株価に一喜一憂

〇本日のドル円、一週間ぶりの安値127円台をつけた後買い戻し優勢、16時現在は128.55-60で推移
〇スウェーデンとノルウェーが正式にNATO加盟申請するもトルコが引き続き難色示す
〇バーFRB副議長候補「2%以下への低下、インフレ抑制に尽力する」と発言
〇本日は米経済指標として週間新規失業保険申請件数や4月中古住宅販売件数が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.50-128.80

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドルが小じっかり。ザラ場ベースでは1週間ぶりの安値127円台を付ける局面なども観測されたが、そののちドルは買い戻されている。

ドル/円は128.20円前後で寄り付いたのち、下値を試す展開となり1週間ぶりの128円割れ。日中安値である127.90円レベルを示現したものの、その後は逆にドルの買い戻しが優勢に。一時は129円手前まで、1円を超える逆行高をたどっている。本日も、基本的には日米株価の動きに一喜一憂する展開で、16時現在では128.55-60円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「米通貨金融政策」について。
前者は、スウェーデンとノルウェー、北欧2ヵ国が正式にNATO加盟申請。事務総長は「歓迎コメント」を発するも、トルコが引き続き難色を示し、加盟交渉開始を決めることができなかった。また、そののちトルコ外相がブリンケン米国務長官と会談を行ったが、そこでも「彼らがテロ組織を支援してきたという安全保障上の懸念がある」などと発言、参加に懸念を示している。なお、ウクライナ情勢と絡め、別途ロシアは「仏伊スペインの外交官85人を国外追放」、カナダ最大の放送局「カナダ放送協会(CBC)のモスクワ支局閉鎖を決めた」と発表するなど、欧米諸国との対決姿勢を新たにしていたようだ。

対して後者は、鈴木財務相などから連日のような円安けん制発言が聞かれるなか、米財務長官は昨日、「米国の金利が上昇するなかでドルが上昇しているのは理解できる」と述べ、消極的ながら実質的にドル高を容認するコメントを発していた。一方、それとは別に米金融政策について、フィラデルフィア連銀総裁は「6月と7月のFOMCでの0.5%利上げを予想」、バーFRB副議長候補「2%以下への低下、インフレ抑制に尽力する」といった発言が聞かれていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は9日高値の131.35円と、12日安値127.52円に依然として挟まれた展開で、明確な方向性は引き続き乏しい。しかし、先でも指摘したように、本日東京時間には1週間ぶりとなる128円割れを達成するなど、わずかにリスクはドル安方向か。仮に127.52円を下回るようだと、4月27日安値126.95円がターゲットに。いま一段の下押しが入る可能性もある。
市場では、一抹の警戒感を抱く向きもあった日米協調のドル売り介入期待だが、昨日のイエレン発言からすると消極的にせよ「ドル高容認」で、市場介入など微塵も考えてないことが明らかとなった。お墨付きをもらったこともあり、短期的にはともかく、中期的なドル高は継続していると言わざるを得ない。ただし、昨日クローズベースでも、1000ドル以上の下落をみせたNYダウなどの動きには本日も要注意。果たして下げ止まりを見せるのだろうか。なお、材料的には、明日20日に発表される日本の経済指標、4月の全国消費者物価指数が注目を集めているようだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場はここ数日間128.50-129.80円といったおよそ1.3円レンジをたどってきたが、昨日その下限を割り込むと、本日東京では一時127円台。ややドル安方向へのリスクをうかがわせるものの、127.52-131.35円という大レンジ内には依然としてとどまっている。つまり、まずは大レンジの下限127.52円をしっかりと割り込めるか否かに注目だ。また下値トライが失敗した場合、再び上値を目指す展開もありそうで、その場合には129円台を回復したうえ、130円への接近も。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や4月の中古住宅販売件数が発表されるほか、米財務省によるインフレ指数連動10年債の入札などが実施される見込みだ。またG7財務相・中銀総裁会議は2日目の討議、バイデン氏がスウェーデン、フィンランド首脳と会談実施予定とされるなど政治ファクターにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.50-128.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の128.95円レベルが最初の抵抗で、抜ければ移動平均の21日線が位置する129円前半がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の127.90円レベルの攻防にまずは注目。割り込むと127.52円、そして126.95円などが意識されそうだ。

米株下げ止まるか、為替は株価に一喜一憂

ドル円日足

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