米株の動きを注視、基本はレンジ取引か(5/16夕)

週明け16日の東京市場はドルが小安い。一時ドル買いが進行するも上値は限定的で、そののち反落に転じている。

米株の動きを注視、基本はレンジ取引か(5/16夕)

米株の動きを注視、基本はレンジ取引か

〇本日のドル円、当初はドル買い優勢で日中高値129.60-65へと値を上げる
〇一転して128.70レベルへと1円近く下落、その後は129円挟みの低位揉み合い
〇北欧2国のNATO加盟申請についてロシアサイドが猛反発、フィンランドへの送電停止
〇先週末はNYダウが400ドル以上戻す、さらなる続伸なるか米株の動きに注意
〇本日は米経済指標として5月NY連銀製造業景況指数や3月対米証券投資が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.60-129.90、ドル高方向は本日高値129.60-65が最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

週明け16日の東京市場はドルが小安い。一時ドル買いが進行するも上値は限定的で、そののち反落に転じている。

前週末、フィンランドやスウェーデンがNATOへの正式加盟の方針を表明したことが話題に。一方、先週初めて国内での新型コロナ感染を表明した北朝鮮でさらに感染が広がり、すべての省や群がロックダウンしたと伝えられていた。
そうした状況下、ドル/円は129.25円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。日中高値の129.60-65円へと値を上げている。しかし、高値示現後は一転して下値を探る動きとなり、短時間で128.70円レベルへと1円近くも下落。その後は129円挟みの低位揉み合いをたどるなか、16時現在では128.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ウクライナ軍から「ロシア軍がハリコフから撤退を始めた」との発表が聞かれたうえ、英国防省から「ロシア軍が2月の侵攻開始後に投入した地上戦力の3分の1を失った可能性が大きい」との分析が発表されるなど、戦況についてはロシア不利とされる報道が目に付く。そうしたなか、前述した北欧2国のNATO加盟申請について、ロシアサイドは猛反発。フィンランドへの送電停止という報復措置に動いたほか、ロシア外務次官から「抑止力維持のための方策を取らざるを得ない」と述べ、核軍備増強を示すコメントも聞かれていたという。

対して後者は、引き続き米国サイドなどから「寧辺の原子炉建設を再開したことがわかった」などと伝えられるなか、新型コロナの感染拡大が著しい状況になっているようだ。実際、朝鮮中央通信は、金総書記が出席した党政治局の協議会で「世界的に新型コロナの拡散状況が深刻なように、わが国でも拡散が建国以来の大動乱であると言える」と表明したと報じていた。また、それに加え、「12日の朝以降国のすべての省、市、郡が完全にロックダウンした」との報道も別に観測されており、予断を許さない状況に陥っている。こうした状況で、噂される「核実験の実施」を本当にできるのだろうか。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、131.25円と131.35円でダブルトップを達成したのち、一時127.52円まで下落する局面も見られたが、以降は逆にドルの底堅さも垣間見える展開だ。レンジ上抜けに続き、底割れも取り敢えずは失敗に終わったのかもしれない。米株の動きなどによっては予断を許さないものの、しばらくは128-130円台を中心としたレンジ取引がしばらく続く可能性もある。
改めて指摘するまでもなく、日米金利は拡大方向で縮小することは当面ないと予想され、単純な金利差を考えた場合、明らかに円売りに傾斜せざるを得ない。ただ、性急な利上げを受けた米景気の減速懸念なども取り沙汰されるようになっており、実際、懸念の一旦は「冴えない米株」として目に見える形で示されている。先週末は久しぶりの反発、それも400ドル以上も戻したNYダウだが、さらなる続伸をたどり底入れを示唆するのか、本日はまず米株の動きに要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は週足の連続陽線記録が先週途切れた。まだ断定はできないものの、中期ドル高基調は継続しているにせよ、風向きの変化を感じさせるものとして頭の片隅にでもとどめておきたい。短期的なリスクはわずかに下方向へバイアスか。
ただ、仮に下値リスクが強まっているとしても下値は堅そうで、先週安値の127.52円では取り敢えず下げ止まりそう。結果として、128-130円を中心に、ここ2-3週間のレンジ内での変動が続く公算が大きいのかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には、本日発表された小売売上などの指標は下振れとなった「中国情勢」。ロックダウンした北朝鮮だけでなく、欧州も当局が「オミクロン派生型の感染拡大」警戒を表明した「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、5月のNY連銀製造業景況指数や3月の対米証券投資が発表されるほか、NY連銀総裁の討論会参加など発言機会も幾つか予定されている。また、北欧2国のNATO加盟申請などを含めた広義欧州ファクターにも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.60-129.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる129.60-65円が最初の抵抗で、抜ければ130円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値の128.70円レベルをめぐる攻防に注目。割り込むと、少し遠いが127.52円を目指す展開も。

米株の動きを注視、基本はレンジ取引か

ドル円日足

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