米4月卸売物価指数(PPI)予想
(2022年5月12日21時30分発表)
本日(12日)、米国4月卸売物価指数(PPI)が公表されます。消費者物価指数(CPI)がFRBの注目するインフレ指標になっていますが、今回はPPIにも着目してみます。
米国のインフレ高進の一要因として供給チェーン混乱が挙げられています。加えて、中国のゼロコロナ政策により、この供給混乱が長期化する可能性があります。一部ではPPIの高止まりがいずれCPIに跳ね返る可能性ありとの指摘もあります。そして4月公表のベージュブックでは、仕入れ価格の上昇を顧客に転嫁することを許容する状況になっていることを指摘しており、現状のPPIを見ておく必要がありそうです。
昨日発表の4月の消費者物価は、市場予想を上回る結果になりました。発表直後、ドルは日中高値の130円81銭まで買われましたが、その後は持ち高調整の債券買い戻しに10年債利回りが緩むと、ドルは129円台半ばまで反落し結局130円挟んで引けています。
今日のPPIも昨日のCPIと同じ様に、高水準のインフレ状況になっていますが、前月比で見ると下がる予想になっています。昨日と同じ様な結果が出た場合、最初にドル買いが起こり、その後の相場展開がどの様になるか注目したいと思います。
2022年5月12日9時現在予想
米国の卸売物価指数全体(PPI:オレンジ)とCPI(青)の前年比ベース推移
(オレンジの矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上記チャートを見ると、コロナによる悪影響が沈静化し、その後の米国の財政政策支援などにより、2020年末にPPI>CPIになるとオレンジ色は急上昇しています。このまま頭打ちになるか否かは今後数ヶ月間の推移を見る必要ありますが、現状ではPPIがCPIを引っ張り上げる可能性も否定できない状況にいます。
下図はユーロドルの週足チャートです。昨年6月初からの抵抗線A(=1.1240)をバックにしてユーロ安が続いています。ここから平行に下したB(=1.0710)とC(=1.0620)でトレンドラインを形成していましたが、Cを下向けてからは、戻りがそのCまでとなっています。
一方で、底値はD(=1.0472)で止まっていますが、ここは2015年3月の1.0458の横サポートに符合しています。もしここを切れると、2016年2月の1.0342がダブルボトムになります。上値はB〜Cゾーンの抵抗線を上抜き返さない限り下値トライが継続になります。もしBを越えてくれば、ユーロ安からの調整が進み、E(=1.0950)が次の上値目途になります。
(5月12日13:20 1ユーロ=1.0521ドル)
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