米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利議事要旨(22/4/7)

昨日(4月6日水曜日)、先月中旬開催のFOMC金融政策会合の議事要旨が公表されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利議事要旨(22/4/7)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利議事要旨

(会合は2022年3月15・16日開催分)

昨日(4月6日水曜日)、先月中旬開催のFOMC金融政策会合の議事要旨が公表されました。この中で、バランスシート縮小に関する議論と3月会合での50ベーシス利上げ議論が公表されましたので、その一部を抜粋して和訳しています。

FOMC議事要旨の一部抜粋

@ 「バランスシートサイズの減少計画」の項目内一部

議論の中で、全ての参加者は、高まるインフレと引き締まる労働市場の状況から、次回会合でバランスシートからの資金流出開始を正当化できると合意した。しかも保有債券減少のペースは2017年〜2019年当時よりも早くなる。参加者はFRBの債券保有は、主にSOMA(システムオープンマーケットアカウント)内に保有されている債券から受け取る元本支払いの再投資金額を調整することにより、予測可能な方法で、時間経過と共に減少されるべきであることを再確認した。SOMAに保有されている債券から受け取った元本の支払いは毎月の上限額を越える範囲では再投資される。

幾人かの参加者は比較的に高い月間の上限やあるいは上限無しについては満足していると述べている。他の幾人かの参加者は国債に対する月間の上限は市場機能への潜在的リスクの観点から考慮に入れるべきとしている。全般的には、参加者は国債に対する600億ドルや不動産担保証券に対する約350億ドルの上限がおそらく適切であろうと合意した。また全般的に参加者は、市場情勢が正当化されるなら、その上限が3ヶ月か、それよりやや長い期間で段階的に計画されることで合意した。

(中略)
今回の会合ではFRBのバランスシート減少に関する委員会の決定は行われなかった。しかし、参加者は計画についての実質的な進展は起きており、委員会が次回5月会合の結論後に出来る限り速やかにバランスシート減少の工程を始めるのに良い立場にあるとことで合意した。

A「参加者の現状と経済見通し」の項目内一部

金融政策の適切なスタンスを考慮するにあたり、全ての参加者は米国経済が非常に強く、労働市場は極端にタイトであり、インフレは高く、委員会の2%目標を十分越えていることで一致した。この背景に対し、全ての参加者は今回の会合で、FF金利目標レンジを引き上がることで、緩和政策を取り除く工程に入り始めることが適切であると合意した。更に、FF金利目標レンジの継続的引上げが委員会目標を達成するために正当化されると判断した。また、参加者はFRBバランスシートの縮小が金融スタンスを強固にし、次回会合でこの工程を始めることが適切であることで合意した。(一部略)

多くの参加者は、委員会目標値を大きく越えているインフレ下、インフレリスクは上振れ、FF金利が参加者の長期水準の推定値をはるかに下回っており、今回の会合で、FF金利の目標レンジを50ベーシス引き上げることが望ましいとする指摘をした。しかしながら、これら参加者の幾人かは、ごく短期的にウクライナへのロシア侵攻に関連した不確実性に鑑み、25ベーシス上げが今回の会合では適切であると判断した。多くの参加者は、とりわけインフレ圧力が高まったり、強烈であった場合には、1回かそれ以上の目標レンジ50ベーシス上げが将来の会合において適切になるだろうと指摘した。(一部略)
(以下略)

金融政策に対する賛成票:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、エスター・ジョージ、パトリック・ハーカー、ロレッタ・メスター、クリストファー・ウォラー。
金融政策の行動に対する反対者はジェームス・ブラード。
パトリック・ハーカーは今回の会合で代理メンバー−として投票している。
ブラード総裁はインフレ圧力の高まりにより、今回会合でFFレートの目標レンジを0.50%引き上げ、0.50〜0.75%にすることを選んだ。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

ドル円相場はFOMC議事録では大きく動きませんでした。前日5日にブレイナード理事が「引き締めを継続する」。「早ければ5月からバランスシート縮小する可能性」「インフレは上振れリスク」と述べており、ほぼFOMC議事内容の繰り返しになりました。次回5月4日のFOMC会合で、実際にバランスシート調整が開始するか、利上げ幅が25なのか50ベーシスなのかを探ることになります。

(2022年4月7日12:45、1ドル=123円73銭)

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