南アランド週報:『2会合連続利上げに踏み切るもランドは反落。続落リスクに要警戒』(1/29朝)

南アフリカランド円相場は、今週後半にかけて、昨年11/9以来、約2ヵ月半ぶり高値となる7.57円まで急伸しました。

南アランド週報:『2会合連続利上げに踏み切るもランドは反落。続落リスクに要警戒』(1/29朝)

『2会合連続利上げに踏み切るもランドは反落。続落リスクに要警戒』

〇今週の南ア円、南ア中銀による政策金利の引き上げに週後半にかけて週間高値7.57円まで上昇
〇買い一巡後は政策会合関連のマイナス要因とFOMC後のドル買い等で週末にかけ7.34まで急落
〇南ア円、約2ヵ月半ぶり高値まで急伸、主要レジスタンスポイントを軒並み上抜け地合い好転
〇ただし、上方に200日線位置し、ここからの上昇は容易でない
〇ファンダメンタルズも南アランド円のダウンサイドリスクを連想させる材料が増加
〇南アランド円相場の下落を来週のメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.20ー7.50

今週のレビュー(1/17−1/21)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.52円で寄り付いた後、@南ア12月生産者物価指数(結果+ 1.3%、予想+0.7%、※前月比)の伸び率加速や、A南ア中銀による政策金利の引き上げ(1/27に開催された政策決定会合で昨年11月に続き2会合連続で政策金利の引き上げを実施)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値7.57円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、B上記Aの決定が全会一致では無かったこと(政策委員5名のうち1名が据え置きを主張)や、C段階的な引き上げで十分とのフォワードガイダンスが示されたこと(連続利上げの可能性が後退)、D南中銀が発表した今後2年間のレポレート予測が下方修正されたこと(追加利上げ観測の後退)、Eタカ派な米FOMCを受けた対ドルでの南アランド売りが重石となり、週末にかけて、安値7.34円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/29午前5時15分現在)では7.36円前後で推移しております。

来週の見通し(1/24−1/28)

南アフリカランド円相場は、11/26に記録した約9ヵ月ぶり安値6.93円をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、昨年11/9以来、約2ヵ月半ぶり高値となる7.57円まで急伸しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線や90日移動平均線といった主要レジスタンスポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転が意識されます。但し、上方には市場参加者に注目されている200日移動平均線が位置していることから、ここからの続伸は容易では無いと考えられます。事実、今週は終値ベースで一度も同ラインを突破することが出来なかった他、週末にかけては上値の重さを嫌気する形で急反落に転じました。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜(今週発表された米FOMC及びパウエル議長記者会見が予想以上にタカ派的→米長期金利急上昇→リスクアセット下落→新興国から米国への資金流出の思惑)や、A南ア経済の先行き不透明感(景気や雇用に勢いがない中での利上げ実施は国民不満の高まりを通じて政情不安に繋がる恐れ)、B国営電力会社エスコムを巡る計画停電の長期化懸念(南ア経済への下押し圧力)、C上記ABを背景とした追加利上げ観測の後退(今週の利上げは全会一致ではなく4対1で決定。ハニャホ総裁も記者会見で、25bp以上の利上げについては議論しなかったとハト派的な発言)など、南アランド円相場のダウンサイドリスクを連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では南アランド円相場の下落を来週のメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.20ー7.50

注:ポイント要約は編集部

『2会合連続利上げに踏み切るもランドは反落。続落リスクに要警戒』

南アフリカランド円日足

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