米11月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(10日)、米国11月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回10月分は予想を大きく越えインフレ懸念が高まりましたが、11月は年率ベースでは全体・コア共に一段と上昇する予想になっています。9月FOMC時点でのFRB見通しは2021年末のコアPCEが3.7%でした。既発の10月コアPCEが4.1%と既にFRB見通しを越えており、今回CPIが予想通りの結果になると、11月コアPCEも一段と高まることが予想されます。下図(2)を見ると、FOMC予想の3.7%に黒の横線を引いていますが、コアPCE(オレンジ)は大きく越えています。12月15日のFOMCで見通しの変更になると思いますが、2022年末予想も9月時の2.3%を大きく越える改定値になると、市場の早期利上げ期待は一段と大きくなると思います。オミクロン株発生で大きく下がった10年債金利が再上昇していますが、金利一段高でドルに影響がでると思います。そして株価に対しても注意が必要になりそうです。
(2021年12月10日9時現在予想)
(1)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャート(1)を見ると、過去の高値を結んだ青(0.6%)の横線を2ヶ月連続で越える予想となり、黒の矢印は右肩上がりを継続しています。
下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=コアPCE)となっており、コアCPIもコアPCEも目標値を一段と上回っています。また参考までに9月FOMC時で2021年末コアPCE予想を3.7%(下図の黒い線)に引いています。来週予定されているFOMCでの見通し改定は必至の様相です。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒はFOMC予想値、緑より右は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の日足チャートです。9月22日底値からのサポートA(=115円10銭)と高値を結んだB(=116円00銭)とでドル上昇ウェッジを形成していましたが、11月26日のオミクロン株の世界的感染拡大懸念で下抜きました。
現在は9月22日からの底値から引き直ししたC(=113円00銭)と高値Bから平行に下したD(=112円60銭)とでドル高トレンドラインを形成しています。今日のCPIではまずCとDがサポートになります。上値は113円90銭〜114円に抵抗線ありますが、11月24日高値からの抵抗線E(=114円85銭)があります。越えた場合はAが次のポイントです。
(12月10日10:40 1ドル=113円38銭)
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