上抜け失敗もリスクは依然ドル高方向に
〇本日のドル円、日中高値113.80レベルまで値を上げるも114円に届かず
〇米豪などが先んじて表明していた「北京五輪の外交的ボイコット」にカナダが追随
〇NYダウなど米株高の動きに支えられドルも強含みの展開が続くといった見方も
〇本日は米新規失業保険申請件数発表、米財務省による30年債入札などに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.10
<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は引き続きレンジ取引。値幅は20ポイント強にとどまり、依然として方向性は乏しいままだった。
ドル/円は113.65円前後で寄り付いたのち、わずかに値を上げ日中高値の113.80円レベルを示現。しかし、本日もやはり114円にはとどかず、そののち小緩むと113.55-60円へと軟落している。日米株価の動きや、発表された中国経済指標などを一喜一憂しつつも、実際の動意にはいまひとつ結び付かず。16時現在、ドル/円は113.60円レベルで推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北京オリンピック」と「新型コロナ・オミクロン株」について。
前者は、米豪などが先んじて表明していた「北京五輪の外交的ボイコット」に、カナダが追随。また、前日には英紙テレグラフが「限定的な政府関係者派遣を検討」と報じるなど全面的な外交的ボイコットを見送ると目された英国も、ジョンソン首相が「政府高官を派遣しない」と正式に明言し、歩調を合わせることが明らかとなった。そうした一連の動きに中国サイドは「オリンピック精神に反する行動を取り、名誉を傷つけようとしている」などと強く非難している。
対して後者は、7日に米国の首席医療顧問を務めるファウチ氏が発した「オミクロン株、重症化の度合いは高くない可能性」とのコメントが依然としてマーケットの楽観論を支援しているものの、ジョンソン英首相が感染拡大抑制に向け「イングランドでより厳格な制限措置を実施」すると発言したほか、フランス報道官も「コロナ第5波はまだピークに達していない」とし、さらなる警戒が必要との認識を示していた。まだまだ予断を許さないようだ。一方、「4回目のワクチン接種」の話も一部で取り沙汰されていたようで、続報などを含めて注目されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日欧米時間に高値113.95円を示現するも、114円には今回もとどかず。11月29日につけた113.95円が思いのほか強い抵抗となっている感を否めない。引き続きリスクという意味では上方向にバイアスが掛かるも、上値は重く112.50-114.00円といったレンジ取引が、いましばらく続く可能性もある。なお、高値115.52円を起点とした下げ幅をフィボナッチで見た場合、114円はおおむね半値戻しにあたるレベル。また114円を超えれば、61.8%戻しの114.40円レベルがターゲットに。
日米欧英など各国の金融政策に対する関心は依然として高く、米国については来週のFOMCがいまから注目されている。そうしたなか、引き続き新型コロナ・オミクロン株が警戒されているものの、以前ほど危機感を抱く向きはなく、それは堅調推移をたどるNYダウなど米株の動きにも表れているようだ。いわゆる強気派からは、株高の動きに支えられドルも強含みの展開が続くといった見方も指摘されていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジ上限にあたる114円突破チャレンジに昨日も失敗。本来そうしたケースでは、一転して下値追い機運が高まっても不思議はないのだが、今回は思いのほかドルが底堅く、むしろ虎視眈々と114円突破再チャレンジのタイミングをうかがっている感もある。「二度あることは三度ある」、このあとの欧米時間にドル買い機運が盛り上がると三度目の114円突破に向けた動きも否定できない。
材料的に見た場合、中長期的には、外交的ボイコットが広がりを見せることで北京五輪への危機感も取り沙汰される「中国情勢」、やや楽観論が優勢になりつつあるが欧州中心にいまだ予断を許さない「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、週間ベースの米新規失業保険申請件数が発表されるほか、米財務省による30年債入札が実施される予定になっている。反面、「ブラックアウト期間」に入っていることもあり、通貨当局者ら要人による発言機会は激減しているものの、本日から明日に掛け米国主催の「民主主義サミット」が行われる見込みだ。参加者らによる発言には一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.10-114.10円。引き続き114円レベルが最初の抵抗として寄与。超えればフィボナッチポイントにあたる114.40円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値にあたる113.32円をめぐる攻防に注目。底堅いイメージということもあり、下抜けた場合の方がサプライズになるかもしれない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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