米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事録要旨
(2021年11月02日・03日開催分)
昨日、FOMC議事録の公表がありました。重要な点はFOMC終了後の記者発表要旨で、その他は目新しい内容はありませんでした。昨日の要旨はスタッフによる経済見通しのみをお送りします。次回12月15日のFOMCでは、経済見通しの改定とドッドプロットが公表されます。
スタッフによる経済見通し
11月会合向けてスタッフが用意してくれた米国経済活動の見通しは9月の予想よりもやや弱かった。入手したデータによれば、供給制約の解決はやや遅れて始まり、前回想定よりもより緩やかになることを示唆している。つまり実質GDPは2021年全体で相当の拡大になると予想されている。2022年には、実質GDP成長は2021年のペースに近いものになると予想している。これは経済再開やほとんどの部門で供給制約の解決が続くことに支えられている。これら要因の後押しが薄れるに連れて、実質GDP成長は2023年に著しくダウンし2023年と2024年は潜在成長率に近い伸びになると予想される。しかしながら、実質GDPの水準は予想期間を通じては潜在成長率を大きく越えるものと予想される。失業率は歴史的低水準まで下がることが予想される。
インフレに対するスタッフの直近見通しは上方修正された。これは消費者の食料やエネルギー価格が予想よりも早く上昇し、生産のボトルネックや賃金上昇が予想よりも幾分上方に物価を押し上げたことによる。
結果として、PCE価格の年率は9月時のペースよりは更に上昇し、年末には2%を大きく越えると予想されている。次の2年間で、供給問題で引き起こされた消費者物価の上昇が一部で逆転し、資源利用がより引き締まることが予想される。それ故に、PCEインフレは2022年に2%、2023年には1.9%まで下がり、2024年には2%に戻ると予想されている。
スタッフは経済活動に関するベースラインの見通しに対するリスクは下方に歪み、インフレ見通しに対するリスクは上方に歪むとの判断を継続している。とりわけ、冬場のCovid-19症例に関する次の大きな波の可能性が経済活動の下方リスクへの重要な原因と見ている。一方で、より深刻で持続的な供給問題の可能性が経済活動には下方リスクであり、インフレに対しては上方リスクと見ている。
(尚、今回の会合もFRBの政策行動に対する投票は全員賛成で、反対は1人もいませんでした。)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
FOMC議事録公表後のドル円相場はほとんど動きませんでした。NY市場が感謝祭控えての休場前もありますが、利上げに関する議論はなく、テーパリングを決めたことと、その速度や予想外のリスクが起きた時に再検討するなどの議論が中心でした。
ドル円の流れは昨日のPCE予想で添付した月足チャートと変わっていません。下図はドル円の週足チャートです。
急騰した4月初旬の高値を起点とした抵抗線がA(=115円50銭)、そこから平行に下したB(=110円40銭)でドル高トレンドラインを形成しています。このレンジ間では9月24日底値を起点にしたサポートがC(=113円80銭)にあります。今週はこのAとCのレンジを埋める陽線になっており、現在が高値付近で推移していることです。今日はNY市場休場なので、今週は日欧でA抜けするエネルギーあるか、一度調整するか、すなわち明日の週足終値が丸坊主のまま強い形で終わるか、上ヒゲ作るか注目したいと思います。それにより来週火曜日の月足が見えてきそうです。
(2021年11月25日13:25、1ドル=115円38銭)
オーダー/ポジション状況
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