トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値11.31レベル高値11.72レベル、週を通し水準下げる
〇11/18トルコ中銀会合、1%引き下げ15.0%がコンセンサス
〇利下げ実施の場合、買い戻しの動きならず上値重くなる展開か
〇下落過程で買い下がった本邦個人投資家の含み損拡大、ミニ・フラッシュ・クラッシュ発生リスクも
〇今週は大台11.00をサポートに11.60レベルをレジスタンスとする流れとみる
まず、先週の振り返りですが、「新安値更新を想定し11.45レベルをサポートに、大台の手前11.95レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が11.31レベル、高値が11.72レベルとなり、予想レンジよりもトルコリラ安の流れが続きました。
先週のトルコリラ円は、週初高+週末安と一週間を通してじりじりと水準を下げ、本邦個人投資家の買い下がりオーダーもかなり約定された様子です。おそらくどこのFX業者でも似たような状況だと思いますが、売買比率は買いポジションが85%程度で売りポジションはほとんどありません。買った水準も12.50〜13.00が最も多いゾーンで、その前後13.00〜13.50、12.00〜12.50のゾーンも広く厚く買いポジションが分散している状態です。
既に現在の水準11円台前半では、平均して1円以上の含み損を抱えた個人投資家がかなりの数に増えてきているということになります。今週の政策金利発表に限らず、東京早朝の取引が薄い時間帯では、いつミニ・フラッシュ・クラッシュが起きてもおかしくはないと言えそうです。
そして18日のトルコ中銀の会合ですが、1%引き下げて15.0%というのがコンセンサスです。すでにトルコ中銀が参考にしているコアCPI16.82%をかなり下回っているものの、エルドアン大統領の圧力もあり利下げ必至という見方です。今回も前回のように2%下げたら大幅安になるでしょうし、既に1%の利下げを織り込んで下げてきていますが、実際に利下げが行われても事実で買い戻しという動きにもならず、着実に上値が重くなる展開と思われます。
テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
赤の水平線が10月に新安値をつける前の安値だった2020年安値ですが、2週前、3週前ともに同水準で上値を抑えられ、現在では既にかなり遠くなってきています。また10月21日高値から引いたレジスタンスラインと平行に11月3日安値から平行ラインを引いて下降チャンネルを表示してありますが、現在はこの下降チャンネルの中で次の大台11円を目指す流れにあると見ています。
トルコ中銀会合でサプライズが無い前提で、今週は大台11.00をサポートに11.60レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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