年初来高値が視界内に、ドル続伸期待も(11/12夕)

12日の東京市場はドル小幅高。一時114.30円レベルを示現し、わずかながら直近の戻り高値を更新している。

年初来高値が視界内に、ドル続伸期待も(11/12夕)

年初来高値が視界内に、ドル続伸期待も

〇本日のドル円、日中高値114.30レベルへ値を上げ、わずかながら直近の戻り高値を更新
〇今週半ばの112円台への下落からV字型回復、月間高値114.44・年初来高値114.69を視界に捉えた動き
〇ドル続伸への期待も高まる中、115円に向けた動きが続く可能性も
〇本日、11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報発表、APEC首脳会議にも注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.70-114.70、東京高値114.30レベルをめぐる攻防に注視
〇ドル安・円高方向は113.70-80がサポートとして意識され始める、112円台は遠くなりつつある

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場はドル小幅高。一時114.30円レベルを示現し、わずかながら直近の戻り高値を更新している。

ドル/円は114.05円前後で寄り付いたものの、当初は凪相場。114.00-10円という横這い推移をたどるも、レンジを上抜けると、そのまま日中高値の114.30円レベルへと一気に値を上げた。その後ドルは上げ渋る展開ながら底堅く、114.15-25円といったレンジで一進一退。16時現在では114.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円以外も全般的に小動きをたどるなか、トルコリラが小安い。対円やドルでは小幅に売り込まれ、再び史上最安値の更新も。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「中国情勢」について。
前者は、引き続き欧州におけるコロナの感染拡大が話題に。たとえばドイツでは、新規感染者が5万人を超えて一日の感染者数としてはこれまでの最多を記録。それもあり、ワクチンを接種していない人に対する規制を強化する動きが出たと報じられていた。またオランダも同じような国内状況のため、政府が「部分的なロックダウン措置の導入を検討している」と発表している。冬の拡大期を前に、ますます予断を許さない状況になりつつある感を否めない。
対して後者は、中国共産党にとっての重要会議である「6中総会」が、歴史決議を採択し閉幕。そうしたなか、COP26で山口環境相と中国の解特使、日中閣僚級が排出量取引めぐり議論を交わしたほか、15日に実施するもようの米中首脳会談で、「習国家主席がバイデン大統領を来年開催される北京冬季五輪に招待する」公算が大きいと伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

今週半ばには112円台まで下落する局面も観測されていたドル/円だが、足もとは114円台。V字型の回復で月間高値の114.44円や、年初来高値114.69円を視界内に捉えた動きとなっている。2週間を超える時間調整などを経てポジションはいくらか軽くなったこともあり、ドルの続伸を期待する声もあるようだ。一朝一夕に到達することはないだろうが、それでも115円方向に向けた動きが続く可能性を否定できない。
日米欧英などの金融政策が引き続き注目されるなか、単純な金利差という点では円を買い進めにくいという基本的な状況に変化なし。昨日はNY休場もあり、米経済指標の発表は見送られたが、一昨日は発表された米消費者物価が好数字で米金利が上昇。ドル買いへと繋がったことから、本日も同様の展開には一応要注意だ。また、それとは別にAPEC首脳会議に、テレビ会議方式で参加する習中国国家主席の動静を警戒する声もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円のレンジ下限割れは結果として「ダマシ」に終わっただけでなく、足もとは一転してレンジ上限超えを視界内に捉えた動きとなっている。114.44円や114.69円といったテクニカルポイントも観測されるなか、それらを超えればいよいよ115円乗せが現実のものとなりそうだ。ただ、上値トライが失敗に終わった場合には、113-114円台を中心としたレンジ取引の色彩が再び強まる可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には、徐々に来週15日の「米中首脳会談」への関心が高まってきた感もある「中国情勢」、クリスマスや年末年始が近づくなか欧州を中心とした感染拡大が気掛かりな「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」−−が注視されている。
一方、本日は米経済指標として、11月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されるほか、バイデン氏と習主席、米中トップが演説を実施する予定のAPEC首脳会議などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.70-114.70円。まずは東京高値114.30円レベルをめぐる攻防が注視され、抜ければ114.44円や114.69円を目指す。仮に上抜けても、本日中に115円に達する公算は低いと予想される。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでは113.70-80円がサポートとして意識され始めている感。112円台は徐々に遠くなりつつある。

年初来高値が視界内に、ドル続伸期待も

ドル円日足


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