ドルは年初来高値が視界内、攻防を注視(9/28夕)

28日の東京市場はドルが一段高。まだ少し遠いが、それでも111円台を回復するなど、年初来高値111.66円が意識されている。

ドルは年初来高値が視界内、攻防を注視(9/28夕)

ドルは年初来高値が視界内、攻防を注視

〇本日のドル円、111円前後で寄り付き、夕方111.35-40まで値を上げる
〇ドル/円はドル高基調継続、上方向のテクニカルポイントを突破し年初来高値111.66が視界内へ
〇直近安値109.12から1週間で2円を超えるドル高・円安進行、一時的な下押し・調整の動きにも注意
〇本日、7月S&Pケースシラー住宅価格指数・9月消費者信頼感指数発表、要人発言にも注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ110.80-111.80

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場はドルが一段高。まだ少し遠いが、それでも111円台を回復するなど、年初来高値111.66円が意識されている。

ドル/円は111円前後で寄り付いたのち、しばらくは冴えない。111円±10銭といったレンジ取引をたどるも、上抜けると夕方には111.35-40円まで一気に値を上げた。米株先物や米金利が上昇したことが好感されていたようだ。16時現在、ドル/円はそのまま高値圏111.35円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、円は本日も対ドル以外も含め全面安の様相。たとえば、資源国通貨のひとつであるカナダドルは対円で88.30円台を示現、8月半ば以来の高値を記録していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、昨日から本日に掛けて幾つか気になるニュースが相次いだ。そのひとつは、「ボストン連銀総裁とダラス連銀総裁の2人がそれぞれ辞任を表明した」こと。辞任の理由についても思うところはあるが、いわゆるタカ派に分類される2人だけに、今後の金融政策への影響を懸念する声も。一方、政府の現行予算の期限が数日後に迫るなか、上院共和党が、政府の予算を確保し債務上限も引き上げる民主党による法案の可決を阻止したことを明らかにしている。10月1日午前0時1分の期限切れまでに果たして間に合うのか注目だ。
対して後者は、本日早朝にまたぞろ「ミサイルと思しき飛翔体が発射された」として一時話題に。その後の続報によると、発射されたものは短距離ミサイル1発、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したようだ。なお、それとは別だが、ミサイル発射と同じようなタイミングで、北朝鮮の金国連大使が国連で演説し、米国に対して「敵視政策」を放棄するよう求めるとともに、「北朝鮮の自衛権や兵器実験を行う権利は誰も否定できない」などと述べていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はドル高基調が継続し、本日東京時間にはついに111.30円台へ。上方向のテクニカルポイントを次々突破、111.66円の年初来高値が名実ともに視界内へと捉えられている。基本的なリスクは上向き、ドル高方向で間違いないものの、直近安値109.12円からわずか1週間で2円を超えるドル高・円安進行のスピードの速さを懸念する声も聞かれていた。年初来高値を前にした一時的な下押し、調整の動きにも注意が必要だ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は変わらないが、22日のFOMCで利上げ開始時期の前倒し示唆などもあり、ドル買い安心感に繋がっている感も否めない。10月8日の米雇用統計を見極めたい、などとする声が早くも聞かれるなか、本日もなかなか注目度の高い米指標が発表される見込みで、そちらには要注意だ。また、FRB関係者など要人による発言機会も多く、あわせて注意を要したい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は110.45円に続き110.80円と、ここにきて連続で上方向の強い抵抗を超えてきた。さらに111円台にもしっかりと乗せただけでなく、次なるターゲットとして年初来高値の111.66円を視界内に捉えている。ポジションの偏りなども取り沙汰されるが、基本的なリスクはドル高方向で間違いない。仮に超えていけば、112.22円が意識されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には、「第2恒大」探しとも言える中国不動産リスクが一部で囁かれはじめた「中国情勢」のほか、いよいよ明29日に自民党総裁が決定する「日本の政局」、「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月のS&Pケースシラー住宅価格指数や9月の消費者信頼感指数が発表されるほか、パウエルFRB議長とイエレン財務長官が上院銀行委に出席し証言を実施する見込みだ。また、米財務省による7年債の入札も予定されるなど、引き続き材料目白押しとなっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.80-111.80円。年初来高値111.66円が現実的な上値メドとして意識されている。上抜ければ112.22円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ドルの下値が切り上がるなか、これまでドルの抵抗だった110.80円レベルが目先のサポートか。ただ、それを下回るとドルの下値は堅そうだ。

ドルは年初来高値が視界内、攻防を注視

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る