トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、木曜エルドアン大統領の発言で利下げ思惑招き下げ足速める
〇中国エバーグランデの倒産懸念もリスクオフ材料で新興国通貨全体にとって悪材料に
〇23日に注目のトルコ中銀会合、現状では7:3で現状維持か利下げかといったイメージ
〇トルコ中銀の利下げがあれば7月安値12.55、6月下旬安値12.46レベルの水準が視野に
〇今週は12.45レベルをサポートに先々週の安値圏12.85レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上昇チャンネルの下半分を基本にしながらも、前週安値を若干下回る12.85レベルをサポートに13.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が12.65レベル、高値が13.05レベルとなり、これまでの上昇チャンネルを大きく下抜ける動きを見せた週となりました。
先週のトルコリラ円は、水曜までは前週後半のレンジの中で上値は重たいものの横方向への動きとなっていましたが、木曜にエルドアン大統領がインフレ率を可能な限り早く下げると発言したことをきっかけに前週安値を下回ると、今週の中銀会合での利下げ思惑を招き週末に向けて下げ足を速める展開となりました。
またドル円の週報で触れた中国エバーグランデの倒産懸念が広がっていることもリスクオフ材料となり新興国通貨全体にとって悪材料となりました。
今週は23日に注目のトルコ中銀会合が開かれますが、トルコ中銀総裁は今月8日にCPI(直近19.25%)ではなくCPIコア(直近16.76%)が重要であると発言したことで、現在19.0%の政策金利を下げる可能性があるとの思惑が広がっています。コンセンサスは現状維持となっているものの、中銀総裁とエルドアン大統領の発言とを考えると利下げの可能性も否定できません。先月までは引き締め姿勢を継続するという見方で良かったのですが、現状では7:3で現状維持か利下げかといったイメージだと思います。
しかし現時点でトルコが緩和へと舵を切るとトルコリラは対ドル、対円で続落せざるを得ないでしょう。
テクニカルにはまず日足チャートからご覧ください。
先週後半の下げで8月安値を下回りましたが、6月安値と9月高値の61.8%押しとも重なっているため、本来ならばもみあいを挟みやすい水準です。しかし、トルコ中銀の利下げがあれば7月安値12.55レベル、6月下旬安値12.46レベルという水準を視野に入れてくるでしょう。中国発の金融市場不安が拭い去れない状況では現状維持でも上値が重たい地合いが続きやすいため、戻り売りが出やすくなってくると考えられます。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
これまでの上昇チャンネルは消して先々週高値からの下降チャンネルに変更しました。下にある水平線は上述したサポート水準です。こうして見ると遠い感じはしないどころか、下降トレンドが続けば今週中にも到達しそうな水準と言えます。
今週は下のターゲットと重なる12.45レベルをサポートに先々週の安値圏12.85レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
※ポイント要約は編集部
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