8月安値に面合わせ、ドル続落期待も強い
〇本日のドル円、109.20-25まで値を下げるも前日安値下回らず終日安値圏で推移
〇過去3週間ほど推移していた「小レンジ」下限109.41を下放れ
〇「中レンジ」下限109.11では下げ止まり、下回れば108.72がターゲットに
〇本日は8月小売売上高、新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.95-109.75
<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場でドルは冴えない。前日安値を下回ることはなかったが、終日安値圏での推移をたどっていた。
ドル/円は109.35円前後で寄り付いたのち、当初はややドル買い優勢。109.45-50円へとわずかに値を上げた。しかし、買いは続かず反落に転じると一転して下値を探る動きに。109.20-25円まで値を下げ、前日記録した安値を意識した動きとなるも、捉えきれなかった。16時現在ドル/円は109.25-30円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、前日におよそ2ヵ月ぶり安値を示現したスイスフラン/円は本日さらに続落。またユーロ/円も一時129円割れを記録するなど、直近安値を再び更新していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、前日の北朝鮮によるミサイル発射について、米国務省報道官が「複数の国連安保理事会決議に違反している」などと非難のコメント。また、緊急の国連安保理非公開会合も開催されたが、こちらは声明を出さずに終了している。そうしたなか、北の金与正朝鮮労働党副部長から「弾道ミサイル発射は正常で自衛的な活動だ」と正当化する談話が公表されたほか、「国の主権と領土統一を守ろうとする中国党と政府の立場は、我が人民の全面的な支持を受けている」とし、中国礼賛のコメントも聞かれていた。
対して後者は、日本における感染拡大が一服しつつあるなか、米国では依然として危機意識が強いようだ。昨日はバイデン米大統領がワクチン義務付けめぐり、マイクロソフトなど米企業CEOらと会談を実施したほか、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策調整官を務めるザイエンツ氏が、海外からの米国への渡航に関する「新たなシステム」を策定していることを明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、過去3週間ほど推移していた「小レンジ」の下限である109.41円を、ようやく「しっかり」下放れてきた。しかし、8月16日安値であり「中レンジ」の下限にもあたる109.11円では下げ止まり、こちらは割り込むことがいまだ出来ていない。不完全燃焼の感も残る値動きであり、本日以降に再び下値をトライし「中レンジ」を下回れるのか、動静には引き続き注目だ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況に変化なく、早くも来週22日に予定されているFOMC会合が注視されている。ただ、市場では以前ほど「早期テーパリング」期待が強くなく、それが足もとのドル安・円高に繋がっている感も否めない。いずれにしても、本日も重要な米経済指標が発表されることから、その内容には注意。また、それとは別に昨日内閣改造が実施されるなど、国内政治への不安も指摘される英国情勢なども波乱要因として懸念する向きは少なくない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日「中レンジ」の下限である109.11円に面合わせしたものの、割り込めず。そののち、本日東京もドルの安値は109.20円台だった。再びレンジ取引の様相を呈するのか、それとも足もとの「中レンジ」下限をしっかりと割り込んでいくのか、ここ数日の動きには要注意だ。ちなみに下回れば、いよいよ「大レンジ」の下限にあたる108.72円がターゲットに。
材料的に見た場合、中長期的には、日本経済新聞が「中国景気の減速感が強まっている」と報じるなど国内経済情勢も気掛かりな「中国情勢」のほか、次々に新たな新株が登場する「新型コロナ変異種」、自民党総裁選を中心とした「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の小売売上高や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。また、ブラックアウト期間で米通貨当局者による発言機会はうかがえないものの、欧州ではラガルドECB総裁によるイベント参加などが予定されており、そちらも注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.95-109.75円。昨日までドルのサポートとして寄与していた109.40-50円が最初の抵抗。上抜ければ109.75円レベル、そして110円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日も下げ止まった「中レンジ」の下限に当たる109.11円。しっかり下回ると108円台突入も。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2021.09.17
ドル円、良好な米経済指標を背景に急反発。米長期金利の上昇も支援材料に(9/17朝)
16日(木)のドル円相場は堅調な値動き。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2021.09.16
ドル円109円台前半、レンジ下限を広げた後は再びもみ合いに転じる (9/16午前)
16日午前の東京市場でドル円は109円台前半でのもみ合い。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。