ドル高一転、レンジ下限割れをうかがう(9/15夕)

15日の東京市場で円は全面高。ドル/円も下値を試す展開で、一時109.40円台まで値を下げている。

ドル高一転、レンジ下限割れをうかがう(9/15夕)

ドル高一転、レンジ下限割れをうかがう

〇本日のドル円、109.75円レベルへ上昇するも上値重く、前日安値を下回る109.40円台まで反落
〇昨日発表された8月消費者物価指数は予想にとどかず早期テーパリング期待が再び後退
〇本日発表のNY連銀製造業景況指数や鉱工業生産により、円高の流れが再度反転へ転じる可能性も
〇レンジを上方向に抜ければ110.00、下方向ならば109.11円がターゲット
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場で円は全面高。ドル/円も下値を試す展開で、一時109.40円台まで値を下げている。

ドル/円は109.65-70円で寄り付いたのち、当初は小じっかり。109.75円レベルへとわずかに値を上げるも上値は重く続かなかった。その後は、一転して下値を探る展開となり、前日安値を下回る109.40円台まで下落している。16時現在、ドル/円は日中のドル安値圏109.50円前後で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、円は対ドル以外でも全般的に買い進められる動き。それを受け、ユーロ/円や豪ドル/円は8月末以来の安値圏での推移となったほか、スイスフラン/円は7月20日以来の水準まで一時落ち込んでいる。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「イラン情勢」について。
前者は、自民党総裁選への出馬を表明している岸田前政調会長から「北総書記との会談は大切な選択肢」との発言、韓国外相からも「北総書記に非核化の意思はある」といった楽観的なコメントが聞かれるなか、本日再び北朝鮮が2発のミサイル発射を行ったようだ。それも11-12日に発射された新型の長距離巡航ミサイルではなく、今回は弾道ミサイルとみられ、事実とすれば国連安保理の決議違反となる。続報などにも要注意。
対して後者は、タリバンが鎮圧化したアフガニスタン情勢などに関心が移行するなか、イラン情勢もジワリとキナ臭さを増してきた。米紙が「イランのウラン濃縮加速、1ヵ月以内に核爆弾製造が可能に」などと報じ物議を醸す。なお、イラン核施設で行われているIAEA核査察において、「女性査察官に対する複数の嫌がらせ行為があった」との一部報道も。IAEAは、査察官の扱いを「容認できない」などと非難コメントを表明していた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日欧米時間に110.16円まで値を上げたものの、またもや上抜け失敗。それもあってか、以降は一転して下値を試す展開で、本日東京では109.40円台まで一時下落している。レンジの下限である109.41円レベルの攻防が注視されているものの、果たしてどうなるか。いち市場参加者の立場からすれば、当然レンジ放れを予想したいところだが、過去1ヵ月ほどは「トライ失敗」の話しか聞いておらず、あまり過度の期待は禁物という気がする。
引き続き、米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は変わらず。そうしたなか来週22日に予定されているFOMC会合へ注目が集まりつつあるものの、昨日発表された米経済指標、8月の消費者物価指数がほんのわずか予想にとどかず、「早期テーパリング」期待が再び萎んだ感も否めない。ただ、本日もなかなか重要な米経済指標が発表されることから、その内容によっては市場が一喜一憂、為替市場でも足もと円高の流れが再度反転へと転じる可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日のドル上値トライ失敗後、一転してレンジ下限割れをうかがう動き。朝令暮改ともいえる、あまりに節操のない動きだが、市場ではドル続落によるレンジ放れを期待する声も少なくないようだ。ちなみに、レンジ下限である109.41円を下回った場合のターゲットは109.11円。ただ、下値トライが失敗に終わった場合には再び上値をトライする展開も考えられる。

材料的に見た場合、中長期的には、FT紙がバイデン氏は習主席に対面会談を提案したものの断られたと報じ話題を呼んだ「中国情勢」のほか、ブースターと呼ばれる3回目の接種問題も根強い「新型コロナ変異種」、自民党総裁選をめぐり虚々実々の駆け引きが繰り広げられている「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月のNY連銀製造業景況指数や8月の鉱工業生産などが発表される予定だ。また、ブラックアウト期間で米通貨当局者による発言機会はうかがえないものの、黒田日銀総裁がオンライン式の米州国際経済フォーラム主催国際会議に出席する見込み。ちなみに、日本時間21時20分から講演も行う予定となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.10-110.00円。本日東京高値109.75円レベルが最初の抵抗。上抜ければ110円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、「小レンジ」の下限に当たる109.41円で、割り込むと「中レンジ」下限の109.11円がターゲットとなる。それを下回ると108円台突入も。

ドル高一転、レンジ下限割れをうかがう

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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