週末の米雇用統計意識しつつドル続伸も
〇本日のドル円、右肩上がりで夕方にかけ110.30レベルまで上昇
〇円全面安で豪ドルやNZドルが半月ぶりの高値、トルコリラは4月末以来となる高値圏に
〇バイデン米大統領、アフガンからの米国民らの退避作戦は「類いまれな成功」
〇菅首相、衆院解散報道に対し「コロナ対策を最優先。解散できる状況ではない」と否定
〇本日は8月ADP雇用統計や同ISM製造業景況指数などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.80-110.70
<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場は円が全面安。ドル/円は110.30円レベルまで上昇した。
ドル/円は、寄り付いた109.95-00円を日中安値に右肩上がり。値幅は30ポイントにとどかないなど決して大きくなかったが、それでも夕方に掛けて110.30円レベルへ。日中高値を更新するなど、「寄り付き安・大引け高」の展開をたどっていた。16時現在、ドル/円はそのままドルの高値圏をキープし、欧米市場を迎えている。
なお、前述したように東京市場は円全面安。豪ドル/円やNZドル/円が半月ぶりの高値を付けたほか、トルコリラ/円は実に4月末以来となる高値圏へと達していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「日本の政局」について。
前者は、カタール外相から「タリバンが孤立すればアフガン情勢は一段と不安定になる」との懸念が伝えられるなど、拙攻な軍撤退に対する米国への風当たりも日増しに強まってきた。またイラン外務省報道官からも「20年間の米国による占領はアフガンに死と破壊をもたらしただけ」といった強烈な皮肉も浴びせられている。しかし。その一方でバイデン米大統領は自身の行動を正当化。国民向け演説で、アフガンからの米国民らの退避作戦について、「類いまれな成功だった」と自賛したうえ、「アフガン戦争は国益に沿わない」とも述べていたという。
対して後者は、一抹の期待があった東京パラリンピックも残り数日で終了する環境下だが、やはり菅内閣の支持率回復には寄与できそうにない。そうしたなか複数メディアで「週明け6日にも内閣改造・党人事」と報じられたほか、毎日新聞が「9月中旬に衆院解散の意向」。さらに「自民党総裁選は衆院選後に先送り」と報じ、物議を醸していた。ただ、そののち菅氏自らが「コロナ対策を最優先させる。解散できる状況ではない」などと述べ、毎日新聞報道を否定している。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、引き続きレンジ内。先週形成した85ポイントレンジにはとどまっている。しかし東京時間、ここにきてレンジ上放れの機運が一気に高まってきた。週末に注目の米雇用統計発表を控えているという状況ではあるが、このあとの欧米タイムにドルは続伸出来るのかに注目だ。
米ファンダメンタルズならびに、金利動向への関心が高いという状況に変化なし。前述したように週末の米雇用統計が注視されている状況ながら、本日もISM製造業景況指数など関心の高い米経済指標が発表される予定となっている。予断は許さない。なお、昨日は月末特有のフローとみられる動きも観測され、ドル高・円安を後押ししたが、名実ともに月替わりするなか需給要因の変化にも一応注意しておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は期間によって幾つかの「レンジ」が散見されるが、足もと推移している109.41-110.26円の「小レンジ」をしっかり超えれば8月の月間高値110.80円がターゲット、それも突破すればいよいよ111円台回復が否定できなくなる。
ただ、昨年来の相場は「ダマシ」の多いことが気掛かりだ。
材料的に見た場合、中長期的には、日米欧だけでなく台湾との軋轢も顕著な「中国情勢」のほか「新型コロナ(デルタ株)」や「アフガン情勢」、総選挙めぐり思惑が激しく交錯している「日本の政局」、−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月のADP雇用統計や同ISM製造業景況指数などが発表される予定だ。うち、前者は前回プラス33万人と期待を裏切るネガティブサプライズとなっただけに、今回も警戒感は強い。ちなみに、今回の事前予想値はプラス63万人ほどとなっている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.80-110.70円。前回高値110.26円をめぐる攻防がまずは注目され、しっかり上抜けると8月高値110.80円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、今週以降テクニカルポイントとして育ちつつあるのが110円前後。昨日欧米時間にドルが一時吹き上がったのち、軟化しても下値は109.90-95円までだった。再びサポートとして意識される可能性もある。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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