トルコ・UAE首脳電話会談報道から一段高
〇昨日のトルコリラ円、夕刻のUAE首脳電話会談報道でリラ買い一段高、13.24台を付ける
〇その後揺れ返しで反落も13.20を割り込むところは買われて一段高状態を維持
〇ドル/トルコリラも夕刻から一段高、夜に8.27へ高値更新しその後も8.30を挟み高値圏維持
〇高値更新で6/2と6/21の両安値をダブル底とした上昇基調の継続感が強まってきた印象
〇本日夕刻のトルコ4-6月期GDP、3日の8月消費者物価指数が強い数字ならリラ買い加速か
〇13.25超えからは13.30を目指すとみる、13.30以上は反落注意
〇31日夕安値13.14割れからはいったん下落期に入るとみて13.10前後への下落を想定
【概況】
トルコリラ円の8月31日は13.24円から13.07円の取引レンジ、1日早朝終値は13.21円で30日終値13.10円からは0.11円のリラ高円安となった。
8月27日夜のパウエル米連銀議長によるジャクソンホール講演をハト派的としてドル全面安となる中でドルトルコリラが上昇、一方でドル円が110円割れへと失速したためにトルコリラ円は円高とリラ高が交錯する形で小動きにとどまったが、ドルトルコリラにおけるドル安リラ高の継続から30日夕刻に13.18円の高値を付けて8月26日夕高値13.19円に迫った。そこではは高値更新へ進めずにいったん仕切り直しの下落を強いられたが13.10円を割り込むところは買い戻されて13円台を維持していた。
8月31日夕刻にエルドアン大統領とUAEムハンマド皇子の電話会談が報じられたことで対立関係にあった両国の関係改善期待からリラ買いの動きとなり8月30日夕高値及び26日夕高値を超える一段高となり20時台高値で13.24円台を付けた。いったん13.14円まで揺れ返しの反落となったが突っ込んだところは買い戻されて13.24円台を再び回復、その後も13.20円を割り込むところは買われて一段高状態を維持している。
【8月16日からのドル安リラ高継続】
ドル/トルコリラの8月31日は8.39リラから8.27リラの取引レンジ、1日早朝終値は8.30リラで30日終値の8.37リラからは0.07リラのドル安リラ高となった。
8月20日早朝のフラッシュクラッシュ的なドル安リラ高で8.25リラの高値を付けたところから8.55リラへいったん急落したが、この一時的な動きを除けば8月17日夜高値8.36リラから20日夕安値8.55リラまでのドル高リラ安が一巡した後はドル安リラ高基調で推移しており、パウエル米連銀議長講演後のドル安局面で28日未明には8.31リラへ高値を切り上げていた。31日午後にかけてはドル安リラ高もやや一服していたが、夕刻から一段高に入り夜には8.27リラへ高値を更新し、その後も8.30リラを挟んで高値圏を維持している。
【13.20円前後の上値抵抗帯を超えて続伸に入れるか、GDP統計と物価統計で試される感】
トルコリラ円は8月31日高値で13.247円を付けて8月20日早朝の一時的急伸で付けた時の高値13.246円をわずかに超えた。
2月16日高値15.26円と3月19日高値15.13円をダブル天井とした下落はエルドアン大統領が利下げに言及したと報じられた時につけた6月2日安値12.44円で落ち着き、6月21日安値で12.48円まで再び下げたところでは底割れを回避し、その後は徐々に安値を切り上げるジリ高基調で推移してきた。8月20日の一時的な急伸時の高値を除けば6月11日高値13.21円がこの間の最高値だったが20日の一時的上昇時に続いて高値を更新したことにより、6月2日と6月21日の両安値をダブル底とした上昇基調の継続感が強まってきた印象だ。
さらに騰勢を強めてゆくには9月1日夕刻のトルコ4-6月期GDP、9月3日の8月消費者物価指数の発表を強気で通過してゆく必要があるところだが、9月1日の4-6月期GDPについては前期比で1-3月期の1.7%から3%超への上昇、前年同期比では前年のコロナショック不況時との対比となるため1-3月期の7.0%から21.7%へと大幅に上昇すると予想されており、予想通りに強い数字になればリラ買いが加速しやすいともいえる。もちろん、予想を下回るようだと失望売りにより31日の急伸が解消されるような下げに転じるリスクもあるところだ。いずれにしても9月後半への流れを決しかねない重要局面と思われる。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月30日夕高値からの反落により8月31日午前時点では8月26日夕高値と30日夕高値をダブルトップ型とした弱気サイクル入りとして9月1日夕から3日夕にかけての間への下落を想定し、強気転換は30日夕高値超えからとしたが、31日夜の急伸でダブルトップラインを超える一段高となったため、31日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。トップ形成期は9月2日午後から6日夕にかけての間とする。31日夜の反落時安値13.14円を下値支持線として上回るうちは上昇余地ありとするが、13.14円割れからは弱気サイクル入りとして3日午後から7日夕にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では8月31日夜の急伸で遅行スパンが好転、先行スパンも突破しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。遅行スパンが一時的に悪化しても31日午後安値割れを回避するうちはその後の好転から上昇再開とするが、31日午後安値割れからは下落期入りと仮定して遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は31日夜の急騰で70ポイントを超えてからいったん下げたが、50ポイント台を維持してやや持ち直しているのでまだ上昇余地ありとするが、相場が高値を切り上げる際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は下げ再開に注意し、50ポイント割れからは30ポイント割れを目指す下落を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.14円を下値支持線、13.25円を上値抵抗線とする。
(2)13.14円以上での推移中は一段高余地ありとし、13.25円超えからは13.30円を目指すとみる。13.30円以上は反落注意とするが、勢い付く場合は13.32円から13.35円にかけてのゾーンへ上値目途を引き上げる。また31日午後安値割れ回避での推移なら2日の日中も高値試しを続けやすいとみる。
(3)31日夕安値13.14円割れからはいったん下落期に入るとみて13.10円前後への下落を想定する。13.10円以下は反騰注意とするが、13.14円を割り込んでの推移なら2日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
9月01日
16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 1.7%)
16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 7.0%、予想 21.7%)
16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 54.0)
9月03日
16:00 8月 消費者物価 前月比 (7月 1.8%、予想 0.6%)
16:00 8月 消費者物価 前年同月比 (7月 18.95%、予想 18.7%)
16:00 8月 生産者物価 前月比 (7月 2.46%)
16:00 8月 生産者物価 前年同月比 (7月 44.92%)
20:30 外貨準備高(グロス) 8/27時点 (8/20時点 681億ドル)
9月09日
20:30 外貨準備高(グロス) 9/3時点
9月10日
16:00 7月 失業率 (6月 10.6%)
9月23日
20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 19.00%)
※ポイント要約は編集部
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