月末最終日で実需フローにも要注意
〇本日のドル円、110円に届かず16時現在109.85前後で推移
〇米中央軍のマッケンジー司令官がカブール国際空港で展開していた退避作戦完了と表明
〇本日は8月シカゴ購買部協会景気指数や同消費者信頼感指数などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30
<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は引き続き20ポイントほどのレンジ取引で、方向性は依然として乏しいままだ。
ドル/円は109.90-95円で寄り付いたものの、上値は重く110円には一度もとどかず。しかし、下値も堅く109.80円レベルでは下げ渋るという展開。日経平均株価が大幅高、NYダウ先物も100ドルを超える上昇をたどったが、為替市場への影響は限定的だった。16時現在、ドル/円は109.85円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、思惑を呼ぶ動きとなったのがNZドル。同国保健当局が「新型コロナ新規感染者数が2日連続で減少」と発表したことなどが好感され、大きく買い進まれていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、日本から茂木外相が参加したG7などによる閣僚級会合が開催され、アフガン情勢で意見交換が行われた。また国連安保理も会合を実施し、タリバンに対し「アフガン人とすべての外国人の安全で秩序ある出国」を保障するよう求める決議を賛成多数で採択している。なお、そうしたなか、米中央軍のマッケンジー司令官はオンラインで記者会見し、アフガニスタンの首都カブールの国際空港で展開していた退避作戦が完了したと表明。20年近くに及ぶ任務に終止符が打たれたもよう。
対して後者は、前述したNZにおける「新型コロナ新規感染者数が2日連続で減少」は好材料だが、反面で気になるニュースも。ひとつは東京医科歯科大が「英国由来のアルファ株に類似した変異を持つ新たなタイプを国内で初めて確認」と発表したことで、もうひとつは「南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出された」との報道になる。ともに、感染力の強さやワクチンの効果などわかっていないことは多いが、いたちごっこの様相を呈している。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は依然として、先週形成した85ポイントレンジ内での一進一退。方向性は引き続き乏しいままだ。なお、本日は月末31日ということで、本日欧米時間がこのまま終われば、8月の月間変動はおよそ2.1円で、これは5月と6月に続く今年3番目の月間小変動となる。巷間では「円高有利」とされる8月相場だが、それよりも月間を通して動きが極めて鈍かった8月と言えそうだ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は継続。週末に発表される8月の米雇用統計を念頭に入れつつ、本日も発表される米経済指標、8月の消費者信頼感指数などには注意を払いたい。ただ、本日は月末最終日ということもあり需給要因、たとえばロンドン・フィキィシングなどにおける実需フローをかく乱要因として警戒する声もあるようだ。材料とは関係なしに、相場が突如吹き上がったりするような展開にも注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は期間によって幾つかの「レンジ」が散見されるが、目先的には先週形成した109.41-110.26円の「小レンジ」に漬かっている。その「小レンジ」も、煮詰まってきたように見られるものの、仮に放れたとしても109.11-110.80円の「中レンジ」内にはとどまるとの見方が有力だ。本格的な動意は週末、米雇用統計発表前後になると見る。
材料的に見た場合、中長期的には、経済成長に若干の陰りが見られるなど国内要因も気掛かりな「中国情勢」のほか、自民党三役から二階氏を外すことが話題となっている「日本の政局」、「新型コロナ(デルタ株)」、「アフガン情勢」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月のシカゴ購買部協会景気指数や同消費者信頼感指数などが発表される予定。今週最大の材料である米雇用統計をにらみつつも、本日も米経済指標の内容にはしっかりと注意しておきたい。また、米国だけではなく欧州要人による講演も気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30円。移動平均の21日線なども位置し110円台への上昇を阻んでいる。本日東京高値でもあり、まずは同レベルの攻防に注目。しっかり上抜けると目先高値110.26円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値にあたる109.70円が最初の下値メド。下回ると前回安値109.41円が名実とも視界内に。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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