ユーロ圏8月消費者物価指数(HICP)予想
本日、ユーロ圏の8月消費者物価指数(HICP)速報値が18時に発表されます。前回7月は全体がやや予想を上回りコアは予想通りで、ECBが心配するほどのインフレとはなっていません。今回8月は双方共に大きくなります。全体では+2.7%まで上がる予想になっています。またECB注目のコアは+1.5%の予想で、インフレ目標値である2%に近づくことになります。今回8月が一過性なのかは来月以降も見なければいけませんが、欧州圏もやっと景気回復による物価への影響が遅れて出てきたようです。先週25日にECBデギンドス副総裁が「第3四半期の指標はポジティブ」と述べており、それを裏付けてくるのか注目されます。但し、レンジ予想は上限でも+1.7%で、ECB目標値以下ですからまだ米国と比較すると低く、予想レンジ内の結果なら緩和状況の継続の見方となりそうです。
ユーロ圏HICP
2021年8月31日9時現在予想
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
尚、6月公表のECB見通しでは、2021年末のHICPコア(上図のオレンジ色に相当)が1.9%(3月時予想1.5%)です。かなり近づいてきています。そして、9月9日に予定されている会合で新規見通しが出る予定になっています。
以下は本日発表予定の主な経済指標です。
2021年8月31日9時現在予想
最近の米国指標がやや減速傾向になっています。FRB予想通りの傾向となっていますが、市場がどの様に受け止めるか注目したいと思います。
下図はユーロドルの週足チャートです。ラインA(=1.2070)を下抜け、ユーロが弱い状況は変わっていません。今年1月初旬の高値(1.2349)からの抵抗線B(=1.2220)に抑え込まれています。短期的にはサポートを結んだC(=1.1640)とそこから平行に上げたD(=1.1830)とでユーロ安トレンドを形成しています。また、CとDの下限を切っても、昨年9月と11月の底値であるE(=1.1610)が3回目のトライで控えています。相場はこのままCとDで下がるのか、それともDを越えて、BとEのレンジになるか注目されます。
(8月31日10:30 1ユーロ=1.1805ドル)
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