トルコリラ円見通し 8月26日夕高値と30日夕高値でダブルトップ気味(21/8/31)

トルコリラ円の8月30日は13.18円から13.08円の取引レンジ、31日早朝終値は13.10円で27日終値13.13円からは0.03円のリラ安円高だった。

トルコリラ円見通し 8月26日夕高値と30日夕高値でダブルトップ気味(21/8/31)

8月26日夕高値と30日夕高値でダブルトップ気味

〇昨日のトルコリラ円、夕刻にかけドル/トルコリラでのドル安リラ高継続で13.18へ上昇
〇その後ドル高リラ安へとやや下げたことに圧され13.10割れまで失速
〇ドル/トルコリラは31日早朝終値8.37、27日終値の8.34から0.03リラのドル高リラ安
〇8.31前後に上値抵抗感がみられるものの徐々に底上げ高値切り上げの流れで推移している印象
〇トルコリラ円は13.10台から13.20台のゾーンが5月以降何度か押し返されてきた上値抵抗帯
〇9/1にトルコ4-6月期GDP、9/3に8月トルコ物価上昇率の発表
〇13.05割れから12.90台を目指す下落を想定、12.95以下は反騰注意
〇13.20超えからは13.25前後試しへ上値目途を引き上げ

【概況】

トルコリラ円の8月30日は13.18円から13.08円の取引レンジ、31日早朝終値は13.10円で27日終値13.13円からは0.03円のリラ安円高だった。
8月27日夜のパウエル米連銀議長によるジャクソンホール・シンポジウムでの講演内容がハト派的とされ、年内のテーパリング開始を妥当としながらもその後に早計な利上げへ向かわない姿勢を強調したことで講演内容が伝わるとドル全面安となり、ドルトルコリラではドル安リラ高となったもののドル円が110円割れへと失速したためにトルコリラ円としては円高とリラ高が交錯する形で小動きにとどまった。
週明けの8月30日は夕刻にかけてドル/トルコリラでのドル安リラ高が継続したことで13.18円へ上昇、8月26日夕高値13.19円に迫ったものの高値更新には至らず、その後にドル/トルコリラがドル高リラ安へとやや下げたことに圧されて13.10円割れまで失速した。31日午前序盤は13.10円を挟んだ揉み合いとなっている。

【ドル安基調を背景にドル/トルコリラもリラ高を継続】

8月30日のトルコ市場は戦勝記念日の祝日だった。英国もバンクホリデーで休場となり、米経済指標の発表も限られたことと先週末のパウエル米連銀議長講演を通過した後のため為替市場は全般に小動きだった。
ドル/トルコリラの8月30日は8.39リラから8.31リラの取引レンジ、31日早朝終値は8.37リラで27日終値の8.34リラからは0.03リラのドル高リラ安となった。
8月20日早朝のフラッシュクラッシュ的なドル安リラ高を除けば、8月17日夜高値8.36リラから20日夕安値8.55リラまでのドル高リラ安が一巡した後は上昇基調を続けてきた。8月26日夕高値で8.32リラ、パウエル米連銀議長講演後のドル安により28日未明には8.31リラへ高値を切り上げてきた。30日は夕刻に8.31リラ台を付けたところで上げ渋りとなってやや下げているために8.31リラ前後には上値抵抗感がみられるものの徐々に底上げをして高値も切り上げる流れの範囲で推移している印象だ。

【13.20円前後の上値抵抗感】

トルコリラ円は昨年11月6日に史上最安値12.03円を付けたところから今年2月16日高値15.26円へ上昇したが、3月19日高値15.13円がダブル天井となって下落に転じ、6月2日には12.44円まで安値を切り下げた。その後は6月21日安値で12.48円まで再び下げたものの底割れを回避し、徐々に安値を切り上げるジリ高基調で推移してきた。
8月20日にはフラッシュクラッシュ的なドル安リラ高の発生局面で13.24円を付けて6月以降の高値を付けたが、その後は新たな高値更新へは進めず、8月26日高値13.19円と8月30日高値13.18円で上値が抑えられている。終値ベースでは6月21日の12.57円が最安値であり、8月27日終値の13.13円がこの間の最高値となっている。
これらを踏まえれば、昨年11月6日の史上最安値と6月2日安値が大きなダブル底、6月2日と6月21日が小規模のダブル底となっての上昇期といえるが、8月20日の一時的急騰時の高値も含めて13.10円台から13.20円台にかけてのゾーンは5月以降何度か押し返されてきた上値抵抗帯であり、現状もこの抵抗帯に引っ掛かっているところにある。

9月1日にトルコ4-6月期GDP、9月3日に8月のトルコ物価上昇率の発表があり、これらの内容次第では上値抵抗帯を突破して4月29日高値13.38円や4月15日高値13.56円等を試す可能性も出てくるが、それらを弱気反応して8月20日安値12.74円を割り込む場合は6月2日以降の底上げパターンが崩れてジリ高による上昇も一巡して下落再開感が強まりかねない。トルコ中銀の金融政策決定会合は9月23日でありまだ先のため、GDPや物価上昇率を踏まえて中銀及びエルドアン大統領の金融政策姿勢を思惑しながらの展開へ入って動きも大きくなる可能性があるところと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月20日夕安値を起点とした強気サイクル入りとして8月25日早朝から27日朝にかけての間への上昇を想定してきたが、26日夕高値からの反落により27日午前時点では26日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。またボトム形成期は27日夕から週明け30日にかけての間と想定した。
8月27日夕刻へ安値を切り下げてから反騰に入り30日夕高値で26日夕高値に迫ったものの高値更新へ進めずに反落しているため、26日夕と30日夕の両高値をダブルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は27日夕安値を起点として9月1日夕から3日夕にかけての間とし、強気転換は30日夕高値超えからとする。

60分足の一目均衡表では8月30日夕高値からの反落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は31日早朝に40ポイント台まで低下したところから50ポイントまで戻しているが、50ポイントを超えても維持できないうちは一段安余地ありとし、45ポイント割れからは下げ再開として30ポイント以下を目指すとみる。強気転換には60ポイントへ到達してからも50ポイント以上を維持する上昇が必要と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、13.05円を下値支持線、13.19円を上値抵抗線とする。
(2)13.15円以下での推移中は下向きとし、13.05円割れから12.90円台を目指す下落を想定する。12.95円以下は反騰注意とするが、13.05円以下での推移が続く場合は1日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.15円超えからは13.19円試しを想定する。13.19円手前は戻り売りにつかまりやすいとみるが、13.20円超えからは13.25円前後試しへ上値目途を引き上げる。また13.15円以上での推移なら1日も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月31日
 16:00 7月 貿易収支 (6月 -28.5億ドル)
9月01日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 1.7%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 7.0%、予想 21.7%)
 16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 54.0)
9月03日
 16:00 8月 消費者物価 前月比 (7月 1.8%、予想 0.6%)
 16:00 8月 消費者物価 前年同月比 (7月 18.95%、予想 18.7%)
 16:00 8月 生産者物価 前月比 (7月 2.46%)
 16:00 8月 生産者物価 前年同月比 (7月 44.92%)
 20:30 外貨準備高(グロス) 8/27時点 (8/20時点 681億ドル)

9月09日
 20:30 外貨準備高(グロス) 9/3時点
9月10日
 16:00 7月 失業率 (6月 10.6%)

9月23日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 19.00%)

※ポイント要約は編集部

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