米指標に一喜一憂するも、基本はレンジ取引継続
〇本日のドル円、横ばい商状で16時現在109.75-80で推移
〇米国の先週末27日の新型コロナ感染者32万2934人、過去最多を更新
〇本日は米経済指標として7月中古住宅販売成約指数や8月ダラス連銀製造業活動指数などが発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30
〇本日東京安値109.70レベルが最初の下値メド、下回れば前回安値109.41が視界内に
<< 東京市場の動き >>
週明け30日の東京市場もレンジ取引。終日を通した値幅は20ポイントにもとどかず、ほぼ横這い商状だった。
先週末、米軍が「テロ行為阻止」を目的に、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で空爆を実施したと発表されたほか、IAEAが報告書で「北朝鮮で原子炉の再稼働示す兆候を確認」と公表した。
そうした状況下、ドル/円は109.80-85円で寄り付いたものの、動意らしい動意はほぼうかがえず。月末ゴトー日ということで、一時仲値需給を囃す動きなども観測されたが、実際の価格変動には繋がらなかった。16時現在、ドル/円は109.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、タリバンによる一連のアフガン掌握にともなう動きが依然として物議を醸す。国連安保理は、アフガニスタンの首都カブールで26日発生した自爆攻撃を「忌まわしい」と非難する声明を発表していたほか、国連難民副高等弁務官から「家を追われ51万人が難民化の恐れがある」との推計が発表されている。なお、そうしたなか米中外相が電話会談を行ったが、中国は「米国にアフガニスタン新政権の運営を支援するよう求めた」とするなど、再びタリバン擁護へと動いていたようだ。
対して後者は、週末にイタリア政府が「南部シチリア島でマスク義務を再導入することを決定」との報道に続き、ロイターが「EUは米国など6ヵ国からワクチン未接種の渡航者などへの制限措置復活へ」と報じた。また、米ジョンズ・ホプキンス大によると、米国の先週末27日の新型コロナ感染者が32万2934人となり、過去最多を更新したという。一方、日本においては河野行革相が1回目と2回目で別のワクチンを打つという「交差接種の是非を政府で検討」との考えを明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週わずか85ポイントレンジにとどまったドル/円だが、本日東京も引き続きレンジ取引。依然として方向性は乏しいままで、期間によって幾つか存在するうちの「小レンジ」、先週形成した109.41-110.26円をどちらに放れるのか、このあとの欧米時間に掛けてもまずは注目されそうだ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況は継続。個人的には、それほどハト派だとは思わなかったが、先週末のパウエルFRB議長をそう評価する向きも少なくない。しかし、発表される米経済指標の内容如何では、再びドル強気派へと簡単に宗旨替えする市場筋は意外に多い気もしており、目先の「ドル売り」は取り敢えず一服した感を否めない。いずれにしても、今週は週末に発表される米雇用統計がもっとも注視されるなか、それまでに発表される米経済指標についても一喜一憂する展開が続く見込みだ。
テクニカルに見た場合、足もとのドル/円は目先「小レンジ」にどっぷり漬かっていて方向性はほぼうかがえない。前回安値109.41円を下回れば109.11円、逆に前回高値110.26円を超えれば110.80円がターゲットとなるものの、本日は英国休場もあり市場参加者は限られるか。前述した「小レンジ」内での一進一退が続く可能性もある。
材料的に見た場合、中長期的には、連日の尖閣沖領海侵入で日本との軋轢も目に付く「中国情勢」のほか、緊急事態宣言の解除先送り見通しも取り沙汰される「日本の政局」、「新型コロナ(デルタ株)」、「アフガン情勢」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月の中古住宅販売成約指数や8月のダラス連銀製造業活動指数などが発表される予定だ。今週最大の材料は週末米雇用統計だが、先週末のパウエル発言もあり、米経済指標全体への関心は高くしっかりと注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30円。移動平均の21日線や90日線も位置する109.80-90円に日足が絡む動きとなっており、その攻防にまずは注目。しっかり上抜けると110円台を回復、110.26円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である109.70円レベルが最初の下値メド。下回ると前回安値109.41円が視界内に。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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