シカゴポジション(CME)297
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年8月24日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、4通貨全てドル買いになりました。豪ドルは更にショートを積み上げています。5万枚は1つの目安ですので、先週はここで揉み合うか一気に積み上げかとしましたが、後者を選択しています。まだネット6万枚越えとなっていませんが、現状では豪ドル一段安の相場観を維持しています。NZドルは完全に相場に乗り遅れているので、次の底打ちでロングメークするか、あるいはNZドルの戻り高でショートを積み上げるかしかなく、まだ暫く様子見になります。但しオセアニア通貨の括りでみれば、豪ドルと違うポジションメークになった時に、オセアニア通貨の流れが要注意となりそうです。ドル円は引き続きドル先高観を持っています。相場があまり動かないですが、過去のパターンでは7万枚を越えてくると8〜10万枚程度方向への上積みが多いので、今後の為替水準が重要になりそうです。
先週の締日までの1週間で底値が109円41銭でしたので、相変わらずロングのコストは悪いままです。そしてドルロングに大きく切り変えたのが3月16日週でしたので、現在は6ヶ月目にいます。シカゴのパターンですとキープ期間が約8〜10ヶ月ですので、残り2〜4ヶ月でどこまで上値を想定しているのか興味あります。従い109円割れの場合や110円台半ば以上でどの様にポジションを変化させるのかウォッチしたいと思います。因みに、前回のドルロングは2019年10月初〜2020年3月で最大56,389枚のドルロングでした。この時はロングの期間が短いですが、3月足で101円18銭〜111円72銭レンジのドタバタがあった時でした。ユーロは前回押し目でネット24,000枚程度のユーロロングを積み上げましたが、18日以降のユーロ下落で損切りした模様です。33,000枚のネットロング減になりました。もしこのままユーロが上げてポジションを減らしていく様ですと、NZドルと同じ動きになる可能性が高くなります。
先週のシカゴは、ロング500枚増、ショート600増で、差し引き100枚強のショート増で、ネットでも僅か300枚ショートですので、前回の締日でも相場観ない展開となりました。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6800〜0.7150レンジ内の下限にいます。直近の底値は0.6805でしたので、その赤のトレンドライン下限に当たり戻されています。シカゴは全く動いていないので、このトレンドラインのレンジ抜けになった時にどの様に動き始めるのかを待つだけとなっています。
さて実際の相場は、短期的なNZドル安トレンドライン0.6795〜0.7025を形成していますが、現在のスポットはその上限近くになります。この0.70は大台代わりでもあり、心理的な上下の壁になっており、確りと上抜けられるか、跳ね返されるかを見る必要があります。ここで止められれば、0.6970、0.6930、0.6890〜0.69の順にサポートがあり、更にトレンドライン下限までの下押しの可能性があります。逆に0.7030を越える終値になると、戻り高をトライすることになります。当面は0.7090〜0.71の抵抗線ですが、更に0.7130、0.7160にもあり、特に後者は2月高値からですので、もしここを越えて行くと短期的なNZドル安は一度終了します。この時にシカゴがどの様に動くかを見たいと思います。(1NZドル=0.6997ドル、8月30日14:30)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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