シカゴポジション(CME)296
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年8月17日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、4通貨まちまちな動きとなりました。豪ドルは売り越しとなり、5万枚乗せのショートになりました。ここで一段落して暫く揉み合うか、そのままショート積み上げ増になりそうです。現状の4通貨の対ドルの動きを見ると、前者の可能性が高そうです。NZドルはショートを減らし、完全なスクエアになりました。NZドルは今年高値から660ピップス程度のNZドル安になっているので、この分ですと底打ちするか半値戻しに近い水準までいかないと次のポジションメークはしない感じです。ドル円は引き続きドルの押し目買い戦略を維持しています。但し、今回は売り買いの枚数を減らしてのドルロング増ですので、リスク低減しながら、先々のドル高相場観を維持しています。必ずしもドル強き一辺倒では見ていない感じです。
因みに、前回10日締日のNY終値が110円57銭、17日締日が同109円60銭です。この1週間の底値は109円10銭付近です。どちらかと言えば、ドル売り枚数を利食いして、ネットロングを積み上げた形です。従い持ち値は一層悪くなっている可能性あります。ポジションの流れとして8万枚方向の積み上げですので、今後も押し目で拾うスタンスになりそうですが、もしスポットが108円台半ばを割った場合にどの様に対応するのか見たいと思います。ユーロは押し目でユーロロングを積み上げてきました。来週以降も積み上げると、再度ユーロ高方向の相場に変えてくる可能性あります。現在は目安の5万枚ですので、今後2〜3週間のポジションが要ウォッチになります。
先週のシカゴは、ロング600枚減、ショート1,400減で、差し引き800枚のロング増になり、ネットショートでは僅か200枚になりました。豪ドル同様にNZドル安になっていますが、完全に乗り遅れているので、一度底打ちするか、下落幅の半値戻しがあるなどの状況にならない限り手を出さないと思われます。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6810〜0.7160レンジ内の下限に近付いています。サポート切ってから一段安を見て、NZドルショート積み上げを開始するか、あるいはレンジ上限までの戻りを待ってショートメークするか、あるいは更に上限を越えた場合にロングにしてくるか、そこまでシカゴは動く気配が見えません。
さて実際の相場は、短期的なNZドル安トレンドライン0.6815〜0.7045を形成していますが、先週金曜日底値は0.6805まであり、下ヒゲだけ抜けてから現在はレンジ内に戻されています。豪ドル同様にNZドルは弱いですが、この下限(0.6800〜10)は2020年11月に2回底値を付けてから大きなNZドル高になっているので、ある程度強いサポートになっています。むしろ0.6790未満で終わってからのNZドル一段安を見た方が良いと思います。上値は0.6870〜80、0.6910に抵抗線あります。後者越えで終わらない限り、戻り高を期待し難い流れになっています。(1NZドル=0.6845ドル、8月23日15:20)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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