オーストラリアドル週報(2021年8月第3週)

ドル全面高となる中、豪ドルは対円、対ドルで急落しています。

オーストラリアドル週報(2021年8月第3週)

豪ドル/円、弱気の流れ。一段の下落リスクが点灯中。

週初に発表された中国の経済指標(鉱工業生産と小売売上高)が予想を下回るものであったことや、8/17に公表された豪金融政策会議の議事録の内容が「最近の新型コロナウイルスの感染拡大により、回復は中断された」「メンバーはテーパリングを遅らせるケースを検討」と新型コロナウィルスの感染拡大で景気先行きに不透明感が広がったことから、豪ドルは対米ドル、対円で下げ足を速めました。また、19日に発表された7月の雇用統計は失業率が4.6%と予想以上の大幅改善を示しましたが、都市のロックダウンによる労働参加率の低下が要因とみられて豪ドル売り材料として反応しました。尚、就業者数は+2200人(フルタイム:▼4200人、パートタイム:+6400人)で市場予想の▼43千人を上回っています。世界的な感染拡大が認められる中、FOMC議事録(7/27-28開催分)ではメンバーの大多数が年内のテーパリング開始を支持していることが公表され、これを受けてドル全面高となる中、豪ドルは対円、対ドルで急落しています。

チャートを見ると、日足は7/20に付けた79.85を直近安値として下値を切り上げて来た短期的なサポートラインを8/16の陰線が下抜けて、短期トレンドに変化が生じています。また、80円台も割り込んでおり、短期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っています。日足の上値抵抗は78.50-60,78.80-90,79.10-20に、下値抵抗は78.00-10,77.40-50,76.90-00にあります。21日、120日、200日線は80.70,83.32,81.79にあり、全てを下抜けており、短期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っています。

一方直近の週足は、十文字の寄せ線で終えていますが、上ヒゲが長く上値トライに失敗した影響がより強い形となりました。今週は週初から下値トライの動きが強まっており、80円を大きく割り込んで新たな下落リスクが点灯中です。78.00-10に強い抵抗がありますが、週足の形状が悪化していることや、新たな下落トレンドに入って日が浅いことから、下値余地が拡がり易い状態です。短期トレンドは80.50超えで越週しない限り変化しません。今週の週足ベースで見た上値抵抗は79.50-60,80.50-60に、下値抵抗は78.00-10,76.30-40にあります。31週移動平均線は82.84にあり、この下に入り込んでトレンドが弱い状態にあることを示しています。また、62週線も79.55にあり、これも下抜けて新たな下落リスクが点灯中です。80.50超えで越週しない限り、中期トレンドも“豪ドル弱気”に入った可能性が高くなっています。

豪ドル/円、弱気の流れ。一段の下落リスクが点灯中。

8/19現在、31週移動平均線は82.84に、62週線は79.55にありこれらを下抜け始めており、中期トレンドが変化する可能性が高くなっている。

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