ドル買い優勢だが、米株の動きが気掛かり(8/19夕)

19日の東京市場はややドル高。一時110円台をしっかり回復、110.20-25円まで上値を伸ばしたものの、終盤に掛けて109円台へと押し戻されている。

ドル買い優勢だが、米株の動きが気掛かり(8/19夕)

ドル買い優勢だが、米株の動きが気掛かり

〇本日のドル円、110.20-25まで上値伸ばすも終盤に掛け109円台へと押し戻される
〇豪ドルは対円で一時79円を割り込む、1/4に記録した年初来安値を意識した動き
〇米財務省、タリバンによるIMFの特別引出権取得阻止を検討
〇本日は8月フィラデルフィア連銀景況指数や週間米新規失業保険申請件数などが発表
〇日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はややドル高。一時110円台をしっかり回復、110.20-25円まで上値を伸ばしたものの、終盤に掛けて109円台へと押し戻されている。

ドル/円は、寄り付いた109.75円前後を日中安値にドル買い優勢。昼前後には110円を超え、日中高値である110.20-25円を示現している。その後もしばらくは高保ち合いとなったが、夕方に掛けて大きく反落すると109円台へと回帰。16時現在では109.90-95円で推移し、欧米市場を迎えていた。
そうしたなか、興味深い動きをたどったのは豪ドルと南アフリカランド。とくに前者の豪ドルは対円で一時79円を割り込むなど、1月4日に記録した年初来安値を意識した動きをたどっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「アフガン情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、アフガンを制圧したタリバンに対し、引き続き国際社会からは厳しい批判などが相次ぐ。たとえば、ロイターは「米財務省、タリバンによるIMFの特別引出権取得阻止を検討」と報じているうえ、NATO事務総長は「20日にオンライン形式で緊急外相会議を行う」旨を明らかにしていた。なお、出国後滞在先についての情報が錯綜していたアフガニスタンのガニ大統領は、家族とともにUAE内にいることを認める声明を出したうえで、「アフガン人の正義のための努力を続ける」と述べ、帰国を目指す意思を明らかにしている。
対して後者は、WHOが「デルタ変異株はワクチン接種率の低い地域でまん延」と発表し話題に。そうしたなか、米政府は9月から「ブースター接種」と呼ばれる3回目のワクチン追加接種開始する旨を表明したが、WHO事務総長は「ワクチン接種が遅れる途上国への供給を優先させる必要がある」との認識を示したうえで、3回目ワクチン接種の停止を米国に求めていた。

<< 欧米市場の見通し >>

下値トライが失敗したドル/円は、一転して上値トライの様相。本日東京では110.20円台まで上値を伸ばしてきた。目先安値から1円を超えるドル高の進行になる。ただ、ドルがこのまま続伸するか否かはまだよくわからない。ここしばらくは往来相場が非常に多く、上かと思うと下、下かと思うと上という天邪鬼推移をたどることが少なくないだけに、情勢については落ち着いてしっかりと見極めたいところだ。
米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況が続くなか、昨日明らかになった7月27-28日に実施されたFOMC議事録要旨は、ほとんどの参加者が年内のテーパリング開始を支持するという、なかなか強めの内容となった。それが足もとに繋がるドル高に寄与していることは間違いない。ただ、問題なのは米株で、米出口戦略期待が逆に嫌気されると、NYダウを中心に調整と思しき動きが断続的に観測されていること。株安がさらに進行すれば為替市場も一転、ドル売りがかさむ可能性を否定できない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は下値トライ失敗の反動もあってか、足もとはややドル買い優勢。ただ、110円を一時的に超えるものの、定着できないなど、なかなか強気にはなり切れない面も残る。本稿執筆時は、109円後半から110円前後に位置する移動平均の21日線や90日線に絡む動きで、ここからどちらへと放れるのか、その方向性をしっかりと見極めたい。ちなみに、上方向であれば110.80円がターゲットになる。

材料的に見た場合、中長期的には、全人代常務委における決定事項なども気掛かりな「中国情勢」や、自民総裁選へ続々と候補者が名乗りでるなど菅首相の求心力低下も著しい「日本の政局」、「デルタ株を中心とした新型コロナウイルス変異種」、「アフガン情勢」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの米新規失業保険申請件数などが発表される見通しだ。なかでも後者指標への関心が高く、雇用指標が改善を示せば、一段とテーパリングに向けた思惑が高まるとの指摘も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.40-110.30円。本日東京で示現した高値110.20-25円が最初の抵抗。超えれば110.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、109円半ばが弱いサポートとして意識されている。ただ、下回っても底堅そうで、108円台は近くて遠いイメージだ。

ドル買い優勢だが、米株の動きが気掛かり

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

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