米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策記者発表
(2021年7月27日・28日開催分)
昨日、FOMC会合要旨の記者公表がありました。内容は大方の予想通りこれまでの金利や債券購入に関する金融政策に関しては全く不変となりました。次回FOMC会合は9月22日(水曜日)に予定されています。
FOMC声明文記者発表要旨
FRBはこの困難な時期に、米国経済を下支えするためにはあらゆる手段の手立てを使うことを約束する。それによって最大雇用と物価安定目標を促進していく。
ワクチン接種の進展や強い政策支援により、経済活動や雇用を示す指標は引き続き強くなっている。パンデミックの影響により最も逆風を受けている部門は改善を示してきたが、十分な回復とはなっていない。インフレは、多くが一時的要因を反映しているが上昇した。全般的な金融情勢は依然として緩和的であり、経済を支える政策措置や家計・企業への信用供与の流れなどを反映している。
経済の道のりはウィルスの経過次第の状況が続いている。ワクチン接種の進展は経済における公共健康危害への影響を減じ続けるだろうが、経済の見通しへのリスクとして残っている。
委員会は最大雇用と長期インフレ目標2%の達成が求められている。インフレ率がこの長期目標を下回り続けるなか、委員会はインフレが暫くの間2%を越え、その後平均2%のインフレと長期に亘るインフレ期待が2%に定着することを目標としている。委員会は、これらの成果が達成されるまで、金融政策の緩和スタンスを維持すると予想している。委員会はFFレートの目標レンジを0〜0.25%で維持することを決めた。
それは、労働市場の情勢が委員会による最大雇用とインフレの評価と一致する水準に達し、かつインフレが2%まで上昇し、暫くの間は緩やかに2%を越える水準になるまで、目標レンジを維持することが適切であると予想している。
昨年12月、委員会は、最大雇用と物価安定目標に向けて大幅な進展が見られるまで、少なくとも毎月800億ドルの国債と少なくとも毎月400億ドルの不動産担保証券の保有増加を続けることを示した。それ以降、経済はこれらの目標に向け進展した。そして委員会は今後の幾つかの会合でその進展状況を査定していく。これらの資産購入が円滑な市場機能や緩和的な金融環境の促進に役立ち、そして家計や企業への信用供与の手助けにもなる。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対する入手情報の含みを精査続けることになる。委員会は目標達成の妨げになるリスクが起きた場合には、金融政策を適切に調整していく準備がある。委員会の査定は幅広い情報を考慮した上で行われる。この中には公衆衛生、労働市場、インフレ圧力やインフレ期待、あるいは金融や国際情勢の進展具合も含まれる。
金融政策に対する賛成者:パウエル議長、ウィリアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー(全員一致です)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
FRB議長の記者会見で、テーパリングに関する議論(債券購入の縮小ペースや縮小債券の構成などに方法の議論)があったことを示し、今後の会合で新たに入手した情報を基に決めていくことを示唆しています。そしてその決定に関しては事前に十分な余裕を持って公表することを示しました。従い、今回の会合ではテーパリングに関する進展状況や今後の進め方などを含め、具体的かつ細かな内容は全くありませんでした。
ドル円相場はFOMCまでは110円前後で推移し、FOMC後に110円28銭付近の高値を付け、その後はテーパリングに関する具体的内容が無かったことで109円90銭絡みでNYを引けています。
昨日のFOMC予想で添付した週足チャートの状況は全く変わっていません。依然として、今週は2手前陽線の全戻しの陰線となっています。また、月足も6月陽線を切り返す陰線で、6月寄り値が109円49銭ですので、明日のNYがこれ以下で終わると包み陰線になりますので、この場合には8月はドルが弱い状況になります。
(2021年7月29日14:30、1ドル=109円72銭)
オーダー/ポジション状況
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