南アランド週報:『軟調推移が継続中。新型コロナ変異株の感染拡大がランドの重石』(7/24朝)

南アランド円相場は、6/7に記録した約2年4ヵ月ぶり高値8.17円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、一時7.43円(約4ヶ月ぶり安値圏)まで下落しました。

南アランド週報:『軟調推移が継続中。新型コロナ変異株の感染拡大がランドの重石』(7/24朝)

『軟調推移が継続中。新型コロナ変異株の感染拡大がランドの重石』

〇今週の南ア円、コロナ感染拡大とズマ前大統領支持者による暴動等で週末にかけ一時7.43まで下落
〇南ア円6/7の2年4か月ぶり高値8.17から今週約4ヶ月ぶり安値7.43まで下落
〇主要テクニカルポイントを下抜け、三役逆転、21日線が90日線をデッドクロスと地合い悪化
〇ファンダメンタルズも経済先行き不透明感、政情不安、南ア中銀利上げ観測後退など下落材料多い
〇南ア円続落をメインシナリオとして予想、来週の予想レンジ(ZARJPY):7.20ー7.60

今週のレビュー(7/19−7/23)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.66円で寄り付いた後、@南アフリカ国内における新型コロナウイルス変異株の急速な感染拡大や、A上記@を背景とした南アフリカ経済の先行き不透明感、Bズマ前大統領の警察当局収監に抗議することを目的としたズマ氏支持者らによる略奪や暴動、放火など政情不安の高まり、C南ア6月消費者物価指数(結果4.9%、予想4.8%、前回5.2%)が市場予想を上回りつつも前回結果を下回ったこと(インフレ圧力の鈍化→利上げ観測後退)、D南アフリカ中銀が政策金利の据え置き(3.50%)を全会一致で決定したこと(市場では利上げに投じるメンバが一部出てくるとの見方が強かったが全会一致で据え置きが決定されたことで利上げ観測後退)が重石となり、週末にかけて、3/31以来、約4ヵ月ぶり安値となる7.43円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局7.44円前後での越週となっております。

来週の見通し(7/26−7/30)

南アランド円相場は、6/7に記録した約2年4ヵ月ぶり高値8.17円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、一時7.43円(約4ヶ月ぶり安値圏)まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線や90日移動平均線など主要テクニカルポイントを次々と下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や、21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロスも実現するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ国内における新型コロナウイルス変異株の感染拡大懸念や、A上記@を背景とした南アフリカ経済の先行き透明感、B南アフリカ国内の政情不安(ズマ前大統領の収監に抗議する過激なデモの影響)、C南アフリカ中銀による利上げ観測の後退(上記@ABを背景に景気回復が大幅に遅れる恐れ→利上げ観測後退→ランド売り)など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

こうした中、来週は7/29に発表される南ア6月生産者物価指数や、7/30の南ア6月貿易収支、南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大を巡るヘッドラインに注目が集まります。経済指標が市場予想を下回る結果となった場合や新型コロナウイルスの感染拡大が報じられる場合などには、「インフレ圧力鈍化→南ア中銀の利上げ観測後退→南アランド売り」の経路と、「貿易黒字縮小→南アランド売り」の経路、「新型コロナウイルスの感染拡大→南ア経済の先行き不透明感→南アランド売り」の3種類の経路を通じて、南アランドに強い下押しプレッシャーが加えられる展開が想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.20ー7.60

注:ポイント要約は編集部

『軟調推移が継続中。新型コロナ変異株の感染拡大がランドの重石』

南アランド円日足

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