下値トライも再び失敗、目先はレンジ継続か
〇ドル円、日米株価の動きをにらみ109.80-110.00のレンジ取引、ドルと円が同方向に動き動意に欠ける
〇昨日のドル円は米株を中心とした動きに連れドル買い優勢、前日下落した分をほぼ全て帳消しに
〇やや不安定な値動きの米株を不安要因としてきたが背景には新型コロナの感染拡大懸念もあるか
〇昨日大幅反発したNYダウが再び値を崩せば為替市場にとっても波乱要因の可能性
〇本日は米20年債の入札やコカ・コーラなどの決算発表に注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ109.60-110.50
<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は小動き。109円後半、20ポイントにも満たないレンジ取引に終始している。
ドル/円は109.85円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。ただ、これはドルと円が同じ方向に動いたためで、たとえば円絡みでいえばポンド/円や豪ドル/円、NZドル/円などは円高方向にバイアスをかけつつ、まあまあの変動をたどっていた。ドル/円は日米株価の動きをにらみつつ、109.80-110.00円といったレンジ取引。16時現在では109.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、3万ドル以下のレベルで底練りを続けていた暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、終盤にかけてしっかりと大台を回復するなど小高い。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立」と「東京五輪」について。
前者は、米欧などがサイバー攻撃について一斉非難に動いたことに中国が猛反発。「米国は事実をゆがめて政治目的で中傷している」などと関与を強く否定している。そうしたなか、米国のケリー大統領特使は「COP26を気候変動対策の重要転換点にする必要がある」との認識を示したうえで、中国に排出削減目標の強化を促す考えを表明していた。
対して後者は、来日した参加選手や関係者のコロナ感染者が次々明らかになるなか、ソフトボールなど一部の競技が本日からはじまっている。なお、そんな東京五輪の開会式に、日本の経団連や経済同友会などのトップがいずれも不参加を表明。また、世界の首脳級の出席も約20人程度と、2016年の前回リオデジャネイロの半分程度にとどまる見通しだという。コロナ禍の開催ということもあり致し方ないのだが、寂しいオープニングで盛り上がりにも欠けそうだ。
<< 欧米市場の見通し >>
米株を中心とした動きに連れる格好で、昨日のドル/円はドル買い優勢。結果として、前日下落した分のほぼすべてを帳消しにしている。指摘しているように、昨年来の相場は「ダマシ」が少なくないのだが、今回もまさにそれ。レンジの下限割れを一時達成したものの、そののち結果的に再びレンジへと回帰した。足もとは再びレンジ取引の様相を強める可能性もある。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いなか、やや不安定な値動きをたどる米株が不安要因として取り沙汰されてきた。また、その背景にはいわゆるデルタ株を中心とした新型コロナの感染拡大懸念もありそうだ。月曜日急落の反動もあり、昨日は大幅反発に転じたNYダウだが、本日以降再び値を崩し、為替市場にとっても波乱要因となりかねないなどと警戒する向きも見られた。
テクニカルに見た場合、ドル/円は前日割り込んだ109円半ばに位置する移動平均の90日線をわずか一日で回復。移動平均では再びドルの上値を21日線が抑制する反面、下値を90日線が支えるという展開となっている。いずれにしても、一旦ドル安方向へ傾斜した感のあったトレンドはニュートラルへと戻ったように思える。しばらくは、再び次の方向性を探るレンジ取引となる可能性もある。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、週間ベースのMBA住宅ローン申請などが発表されるが市場の関心は低く、基本的にはノーインパクトか。ただ米財務省による20年債の入札や、コカ・コーラなどの決算発表も実施される見込みで、それらには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.60-110.50円。週明けに示現した110.10円レベルが最初の抵抗。抜ければ、110.34円や21日線も位置する110円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もと再び上回ってきた90日線が位置する109円半ばの攻防にまず注目。下回れば、週明け安値109.06円が意識されそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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