欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想
(2021年7月22日木曜日:東京時間20時45分、ラガルド総裁記者会見は21時30分)
明22日は開催中のECB金融政策会合の要旨が記者発表され、その後ラガルド総裁の記者会見が予定されています。
欧州中央銀行政策金利予想(7月21日9時00分現在)
(注:発表直前に最新のデータをご確認ください。)
今回のECB会合に関して、全てのエコノミストが政策金利やその他の金利に関する政策は据え置きを予想しています。
ECBは
@既にインフレ目標の柔軟性を発表し(ECBの「対称的な2%インフレ」:目標2%は上限ではなく一時的に目標値2%を越えても容認姿勢)
Aラガルド総裁は新たなフォワードガイダンスについて協議すると述べています。副総裁は、このフォワードガイダンスには物価安定の新たな定義が含まれると述べています。
B総裁は景気回復が良好だが、脆弱なままと述べおり、景気刺激策の縮小も徐々にすべきとの見方となっており、これまでの緩和策を説明する内容が予想されます。
C副総裁はインフレ上昇が一時的としながらも、インフレ見通しに対するリスクは上方に傾いていると述べています。
また最近、米国債金利が大幅軟化したことに伴い、ドイツの10年債利回りも5月の高値時には▼0.10%付近でしたが、20日には▼0.39%まで下がっており、前回6月10日の会合時と比較して、市場の金利先高観にも警戒する必要が少なくなっています。
HICPインフレも6月数値は全体で+1.9%ですが、コアは+0.9%に留まっており、米国ほど目先のインフレに注意する必要がありません。
万一波乱があるとすれば、ラガルドECB総裁の記者会見での質疑応答で突発発言がでるか否かになりそうです。
また一部エコノミストの見方では、9月会合で債券購入の増額を予想している向きもあり、まだECBの金融政策は全般的に緩和基調継続を見ているようです。尚、PEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)による債券購入は2022年3月末までの期限となっています。
下図はユーロ円の週足チャートです。2020年5月の底値を起点としてユーロ高を形成していましたが、2週前にこのA(=131円20銭)を下抜けてきました。当面はB(=128円40銭)とC(=127円50銭)が横サポートになっており、後者は強いサポートになっています。既に昨日20日の底値128円60銭はそのBサポートに当たった感じになっています。
もしここを維持できて、ユーロ安からの調整・反発した場合には6月中旬の高値からの抵抗線がAと交差している地点である131円20銭が、最初の戻り高水準の目安になりそうです。ここを越えればD(=132円80銭)が次の上値目途になりそうです。ECBが緩和策継続し、その期間を延ばす様な内容となるとユーロはまだ下値トライする可能性が出てきそうです。
(2021年7月21日10:25、1ユーロ=129円51銭)
オーダー/ポジション状況
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