トルコリラ週報:『連休前のポジション調整で急伸。但し来週は一巡後の反落に要警戒』(7/17朝)

トルコリラの対円相場は、週末にかけて上値を伸ばし、約1ヵ月ぶり高値となる12.97円まで急伸しました。

トルコリラ週報:『連休前のポジション調整で急伸。但し来週は一巡後の反落に要警戒』(7/17朝)

『連休前のポジション調整で急伸。但し来週は一巡後の反落に要警戒』

〇今週のトルコ円週明け12.69まで下落
〇トルコ国内指標の好調、中銀の政策金利据え置きとタカ派コメントに週末にかけ12.97まで上昇
〇トルコ円一か月ぶり高値に急伸、転換線基準線21日線、雲下限上抜け下値の堅さ印象付ける形状
〇但し、ファンダメンタルズはリラ売り材料複数残る
〇週後半の急伸は7/20-23の犠牲祭の大型連休前のポジション調整の可能性高く一過性の動きか
〇トルコリラ反落がメインシナリオ、来週の予想レンジ(TRYJPY):12.60ー13.20

今週のレビュー(7/12−7/16)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初12.70円で寄り付いた後、早々に週間安値12.69円まで下落しました。しかし、21日移動平均線に続落を阻まれると、@トルコ5月鉱工業生産の力強い結果や、Aトルコ中銀によるタカ派的な声明(トルコ中銀は政策金利を19.00%で据え置くと共に、声明文で「インフレ低下が確認されるまで現行の金融引き締めスタンスを断固として維持する」「政策金利は引き続きインフレ率を上回る水準で決定される」と慎重なスタンスを強調)、B上記Aを背景とした利下げ観測の後退(エルドアン大統領は7月及び8月の利下げプレッシャーを与えていたが、足元のインフレ高進を背景に利下げ観測はひとまず後退)、C大型連休前のポジション調整(7/20ー7/23は犠牲祭で祝日。7/19も前夜祭で実質祝日となる為、外貨をトルコリラに戻す動きが活発化)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値12.97円(6/15以来、約1ヶ月ぶり高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局12.91円前後での越週となっております。

来週の見通し(7/19−7/23)

トルコリラの対円相場は、週末にかけて上値を伸ばし、約1ヵ月ぶり高値となる12.97円まで急伸しました。一目均衡表転換線および基準線、21日移動平均線および雲下限を上抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も消失するなど、テクニカル的に見て、下値の堅さを印象付けるチャート形状となっております(6/2安値、6/21安値、7/8安値を起点としたトリプルボトムの形状→短期筋によるショートカバーが出易い状態)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@トルコ中銀による根強い利下げ観測(7ー8月の利下げ観測は後退するも、9月以降は50bp程度の利下げが引き続き織り込まれている状態)や、A国内から国外への資本流出圧力(中銀の独立性に対する不信感)、Bトルコ経済の先行き不透明感など、トルコリラ売りを意識させる材料が複数残っています(※トルコの場合、エルドアン大統領の利下げ圧力を背景に、例えインフレが高進したとしても利上げでの対応が難しく、今回のように据え置き措置となり易い。この為、インフレ高進は、利下げ観測後退を通じて一時的にリラを押し上げるものの、一巡後は実質金利低下を背景にリラ売りを招き易い。一方、インフレ鈍化の場合は、利下げ観測再燃を通じて素直にリラ売りに繋がることから、インフレ高進の場合もインフレ鈍化の場合も結果的にリラ売り材料となる傾向あり)。

今週後半に見せた急伸劇は大型連休前のポジション調整(犠牲祭前の外貨売り・リラ買い)の可能性が高く、一過性の動きとなるリスクを孕んでいる点に注意が必要でしょう。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.60ー13.20

注:ポイント要約は編集部

『連休前のポジション調整で急伸。但し来週は一巡後の反落に要警戒』

トルコ円日足

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