『連休前のポジション調整で急伸。但し来週は一巡後の反落に要警戒』
〇今週のトルコ円週明け12.69まで下落
〇トルコ国内指標の好調、中銀の政策金利据え置きとタカ派コメントに週末にかけ12.97まで上昇
〇トルコ円一か月ぶり高値に急伸、転換線基準線21日線、雲下限上抜け下値の堅さ印象付ける形状
〇但し、ファンダメンタルズはリラ売り材料複数残る
〇週後半の急伸は7/20-23の犠牲祭の大型連休前のポジション調整の可能性高く一過性の動きか
〇トルコリラ反落がメインシナリオ、来週の予想レンジ(TRYJPY):12.60ー13.20
今週のレビュー(7/12−7/16)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初12.70円で寄り付いた後、早々に週間安値12.69円まで下落しました。しかし、21日移動平均線に続落を阻まれると、@トルコ5月鉱工業生産の力強い結果や、Aトルコ中銀によるタカ派的な声明(トルコ中銀は政策金利を19.00%で据え置くと共に、声明文で「インフレ低下が確認されるまで現行の金融引き締めスタンスを断固として維持する」「政策金利は引き続きインフレ率を上回る水準で決定される」と慎重なスタンスを強調)、B上記Aを背景とした利下げ観測の後退(エルドアン大統領は7月及び8月の利下げプレッシャーを与えていたが、足元のインフレ高進を背景に利下げ観測はひとまず後退)、C大型連休前のポジション調整(7/20ー7/23は犠牲祭で祝日。7/19も前夜祭で実質祝日となる為、外貨をトルコリラに戻す動きが活発化)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値12.97円(6/15以来、約1ヶ月ぶり高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局12.91円前後での越週となっております。
来週の見通し(7/19−7/23)
トルコリラの対円相場は、週末にかけて上値を伸ばし、約1ヵ月ぶり高値となる12.97円まで急伸しました。一目均衡表転換線および基準線、21日移動平均線および雲下限を上抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も消失するなど、テクニカル的に見て、下値の堅さを印象付けるチャート形状となっております(6/2安値、6/21安値、7/8安値を起点としたトリプルボトムの形状→短期筋によるショートカバーが出易い状態)。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@トルコ中銀による根強い利下げ観測(7ー8月の利下げ観測は後退するも、9月以降は50bp程度の利下げが引き続き織り込まれている状態)や、A国内から国外への資本流出圧力(中銀の独立性に対する不信感)、Bトルコ経済の先行き不透明感など、トルコリラ売りを意識させる材料が複数残っています(※トルコの場合、エルドアン大統領の利下げ圧力を背景に、例えインフレが高進したとしても利上げでの対応が難しく、今回のように据え置き措置となり易い。この為、インフレ高進は、利下げ観測後退を通じて一時的にリラを押し上げるものの、一巡後は実質金利低下を背景にリラ売りを招き易い。一方、インフレ鈍化の場合は、利下げ観測再燃を通じて素直にリラ売りに繋がることから、インフレ高進の場合もインフレ鈍化の場合も結果的にリラ売り材料となる傾向あり)。
今週後半に見せた急伸劇は大型連休前のポジション調整(犠牲祭前の外貨売り・リラ買い)の可能性が高く、一過性の動きとなるリスクを孕んでいる点に注意が必要でしょう。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(TRYJPY):12.60ー13.20
注:ポイント要約は編集部
トルコ円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.07.19
トルコリラ円見通し 当面利下げはないとみてのリラ買いで対ドルでは6連騰(21/7/19)
トルコリラ円の7月16日は12.97円から12.78円の取引レンジ。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.07.16
トルコリラ円見通し 対ドルでの上昇続くが円高に押されて上値重い(21/7/16)
15日夜にかけての上昇で7月8日安値12.55円以降の戻り高値をわずかに切り上げたが上昇一服で深夜から反落した。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。